取引先の信用力の評価ってどうやってやるの?

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取引先の情報をいくら集めても、信用力を評価することは非常に難しいものです。
「収益力は高いが、財務面は少し弱い会社」
「収益力は低位安定しているが、財務は良好な会社」
この場合どちらの信用力が高いのか、どちらも業界平均と比べて高いのか低いのか、などを判定することは非常に困難です。そこで「会社格付け」を行います。

取引先の格付と与信評価基準

会社格付けとは、取引先の信用力を比較可能にするために、取引先を評価する統一的な基準を作り、それに従って取引先を評価し、簡潔な記号・数字で分類するものです。例えば、信用力の高い順にA、B、C、D、E、Fと6段階で設定します。それぞれの定義を、

  • A = 支払能力が非常に高い
  • B = 支払能力が高い
  • C = 支払能力は中程度
  • D = 将来の支払能力に懸念がある
  • E = 支払能力に懸念がある
  • F = 通常取引不適格、判断不能

と設定します。そして、この基準に従って取引先ごとに与信ランクを付与します。

この基準は、調査会社が発刊している標準財務指標などを参考に、与信管理面で重要な勘定や指標を抽出し、取引先業界の平均金額や財務指標の高低に応じて点数を付けます。しかし、定量情報だけでは的確に把握できないこともあるため、親会社や経営者能力といった定性項目によって点数を足し引きして最終的に調整します。その結果を元に信用力を判定し、与信ランクを付けます。

【会社格付け制度の例】

格付 リスク 格付けの定義 倒産確率
A 実質リスクなし 支払い能力が非常に高い 0.05%
B リスク小 支払能力が高い 0.25%
C 平均水準 支払能力は中程度 0.90%
D 平均水準比低位 将来の支払能力に懸念がある 1.50%
E 要注意 支払能力に懸念がある 2.50%
F 要警戒 通常取引不適格先 6.00%

※シェアが高い取引先は集中管理対象先として格付けの頭に「S」を付けるなどする

ここで重要なのは、与信管理における格付けの評価基準は、あくまでも取引先の支払能力、つまり倒産の可能性に力点が置かれるべきで、社歴やイメージだけで判断すべきではないということです。また上記のように格付けごとに想定される倒産確率が算出され、格付へが上がれば倒産確率は下がるといったようにきれいに並んでいることが望ましいといえるでしょう。

効率的に情報収集できる与信調査のやり方

企業の信用調査には「内部調査」と「外部調査」の2種類があり、外部調査には「直接情報」と「間接情報」が含まれます。以下、それぞれについて説明します。

内部調査

既に取引のある企業を対象に、自社の経理部や営業部の担当者からのヒアリングを通じて情報を収集・分析する方法です。過去の取引状況や支払い遅延の有無などを確認することが主な目的です。
コストがかからず迅速ですが、情報量が限られ、主観に依存しやすいという課題があります。

外部調査

自社や取引先以外から情報を収集する信用調査の方法です。

直接情報

取引先から直接パンフレットや決算書を入手し、訪問や電話、メールなどを通じて行います。情報の鮮度は高いものの、調査が取引先に負担と感じられるリスクがあります。

間接情報

第三者を介して登記情報、新聞・雑誌、口コミなどを収集します。取引先評価には専門知識が必要で、自社での収集には時間がかかるため、外部機関を活用することで効率化が図れます。
リスクモンスターなら、企業検索のみで企業の信用力を評価、多彩な情報を安価に取得することができます。

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