与信管理の役割が知りたい

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与信とは「信用を供与する」ことです。
貸倒れを防ぐには、取引先に対するリスク管理、すなわち「与信管理」が必要です。

企業間の取引は、頻繁かつ継続的に発生するケースが多く、取引の都度代金の授受を行うことは非効率です。このため、多くの企業間取引において、取引先に信用を供与し、サービスの提供後や商品・製品の納品後に代金を受領する「与信取引」が行われています。

しかし、「与信取引」においては、販売代金の回収について「不確実性(リスク)」があるため、継続的に取引先の情報を収集し、現状把握や動向予測を行ったうえで、取引先の信用力を計る必要があります。

与信管理業務を行う際には、会計・財務、法律、経営、業界慣習など多くの知識と専門性が必要となります。また、与信判断においては、客観的な基準に基づき、迅速かつ正確に判断することが求められ、さらには、事務処理の効率化も同時に求められるため、効果的な分析手法と効率的な与信管理ルールを構築することは、近年の企業経営において一段と重要な要素となっています。

ここで与信管理とは、

といった6つの特徴を含んでいます。

1. 経営管理システムの中の貴重なサブシステム

与信管理は、販売管理、財務管理、人事管理といった会社の主要なマネジメント機能をつなぐ経営上の重要なシステム(仕組み)です。与信管理戦略を考える上では、これらの主要機能との整合性を取り、社内全体で取り組めるようにしなければなりません。

図式:企業経営における与信管理の位置づけ
図式:企業経営における与信管理の位置づけ

2. 販売管理と財務管理をつなぐ管理システム

与信管理は、前述の通り販売や財務の業務の一部を共有しており、これを有効に機能させることによって、販売金額の増加、利益率の改善などの営業戦略、資金負担や金利負担の減少、自己資本の増強などの財務戦略が的確に行われるようになります。

3. 債権管理と取引先管理を併せ持つ

与信管理は、新規および既存の取引先の経営動向を調査して管理する取引先管理と、取引先からの売掛金債権が期日通りに入金されているかを逐次確認する債権管理の活動を併せて行う必要があります。そのためには取引先の動態管理が不可欠になります。

4. 販売活動・財務活動を管理・けん制・抑制する

与信管理は、与信管理規程などの社内ルールに則って行われ、販売活動、財務活動を管理・牽制し、時には抑制する目的および機能を担っています。したがって、どちらの活動からも独立した自律的な活動にしておく必要があります。

5 与信にかかわる部門の継続的な整備・見直し

与信管理を実施するためには、自社の経営内容や取引実態に沿って管理部門の組織や与信管理規程などの制度を整備する必要があります。またそれらは一度整備すれば終わるものではなく、自社の経営内容の変化、社会情勢および倒産動向に合わせて柔軟かつ継続的に見直しを行う必要があります。

6. 社員へのリスクマインドの教育、理解

与信管理は、管理部門がスキルを身に付けることだけで達成できるものではなく、全社員が意識・知識を共有し理解することで、取引先の「異常性」に気付けるようになり、精度を向上させることができます。
また与信管理には、会計・財務・税務、法律・登記、取引慣習、社内ルールなど多岐に亘る知識およびスキルを身に付ける必要があり、業務を通じてビジネスマンとしての基礎を作ることができます。

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