調査結果発表:新型コロナウイルス関連倒産分析レポート~①業種・地域編(リスモン調べ)

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リスクモンスター株式会社
データ工場

 

新型コロナウイルスの影響による倒産企業のニュースが後を絶たない中、2020年2月1日から6月23日までの期間にリスクモンスターが独自に集計した新型コロナウイルス関連倒産(以下、コロナ関連倒産)企業275社に対して、業種や地域の観点から分析を行った。

今回の分析結果においては、新型コロナウイルス対策としての外出自粛の結果、観光客減少によって需要が急激に低下した「宿泊業」が最も倒産が多く、次いで「飲食店」、「アパレル関連業」(アパレル製品製造・卸売・小売)の順となった。

コロナ関連倒産企業275社と2019年度倒産企業6,984社を地域別に比較すると、コロナ関連倒産企業においては、2019年度倒産企業よりも倒産が全国に分散している状態にあり、特に北海道の割合が増加している点からは、多くの感染者が発生した地域において、外出自粛や営業自粛の影響から業績が悪化し倒産が発生しやすい状況となっていることがうかがえる。

新型コロナウイルスの感染状況は、地域によって大きな差が生じており、それに伴って経済の復旧速度も異なってくるものと考えられる。緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルスの影響は続いており、今後もコロナ関連倒産は増加する可能性が高いことから、感染者数の推移などから各地域の経済活動への影響度に留意しつつ、取引を安全に行うために、取引条件の見直しや与信管理ルールの構築によるリスク管理を強化する必要があろう。

 

「新型コロナウイルス関連倒産レポート」/業種・地域別

 コロナ関連倒産企業について業種別に集計したところ、最も倒産が多い業種は「宿泊業」(13.8%)であり、次いで「飲食店」(13.5%)、「アパレル関連業」(11.6%)、「食料品製造業」(8.0%)の順となった。2020年4月7日の「緊急事態宣言」発出に伴い、外出自粛の影響を受けた業種や、営業自粛を余儀なくされた業種において倒産件数が多いことが結果として表れている。
 コロナ関連倒産の上位業種について、2019年度における倒産割合と比較したところ、「宿泊業」では20倍以上の大幅増加となり、「飲食店」や「アパレル関連業」においても2倍近い増加となっていることから、新型コロナウイルスの影響が大きい業種と読み取れる。




コロナ関連倒産企業について地域別に集計したところ、「関東」(33.1%)が最も多く、「近畿」(17.5%)、「中部」(17.1%)の順となった。2019年度における倒産割合と比較すると、北海道、中国での増加が目立っている。

都道府県別では、「東京都」(22.5%)が最も多く、続いて「大阪府」(9.1%)、「北海道」(6.5%)、「兵庫県」(4.7%)、「神奈川県」、「静岡県」(4.0%)の順となった。

人口の多い大都市では、新型コロナウイルス感染症が拡大しやすいため、外出自粛や営業自粛等による影響が大きく表れているほか、観光地においても本来ゴールデンウィークなどの書き入れ時期に外出自粛となった影響が、倒産の発生として表れているものと考えられる。


 

 

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