与信管理支援を経営に活かす方法

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与信管理を経営戦略にするために

与信管理の目的は、与信リスクを最小にして焦げ付きを回避することではありません。
与信管理とは、個々の取引判断において取引をする、しないの○×ゲーム的アプローチではありません。信用力(格付)と与信額からリスクを測定し、取引における利益等から、自社の自己資本、利益に照らして自社が許容できる範囲まで与信リスクを調整することにあります。経済活動をする上で、リスクがあるからこそ利益があり、それを恐れていたのでは、企業成長の源泉がなくなってしまいます。
「リスクを制するものが市場を制する」のです。
最近のリスク管理のトピックからもリスクリターンの考え方は注目されています。この荒波の大海を泳ぎぬくためには与信管理を主軸としたリスクマネジメント戦略がより一層重要となっています。

与信管理の効率化と与信行為にかかる費用の削減

取引判断に時間を要していると、受注競争に勝てません。かといってむやみに取引を行うと焦げ付きを招きます。競争が激化し、意思決定のスピード、徹底したコストダウンを求められる中、与信管理を強化しながら、効率化することが求められています。与信管理を効率化するといっても社内ルールを簡素化し、与信情報コストを削減したものの、結果として焦げ付きが多く発生したのでは何の意味もありません。与信にかかる経費と労力を削減し、かつ、今まで以上の結果が要求されるのです。

今まで行われてきた従来型与信審査において、一件一件決算書を入手し、ベテラン審査マンによる判断にゆだねることは安心できるものの、与信行為にかかる経費、時間は膨大なものとなります。また、そうした場合でも焦げ付きは必ず発生するため、その焦げ付きに備えることこそに重点をおかなければなりません。

与信行為にかかる費用は大まかに分けて事務管理経費、問題与信管理経費、システム・データ維持・分析費に分かれます。事務管理経費を削減するために、社内ルールを決め、出来るだけ自動化し、ベテラン審査マン、優秀な人員を問題与信管理に注力させることができるか、また、システム・データ維持・分析費をどこまで外製(アウトソーシング)により削減できるかがポイントとなっていきます。

与信管理の効率化のための信用力の定量化

信用力を定量化することの重要性が認識されてきていますが、それだけで何かを解決してくれるということはありません。数式とデータを駆使し、実務から離れた分析結果をもとに全ての与信に関する意思決定がなされていくのは現実的ではありませんし、これでは営業部門と管理部門との間に大きな乖離が生じてしまい、形だけのシステムとなり、使えないものになってしまうでしょう。

信用力を定量化することの利点は、汎用性に優れ、簡便で、属人的でないということです。過度の期待をするのではなく、これらの利点を理解すれば、与信管理の効率化およびスピードアップが可能となります。また、新たな尺度を取り入れることで、リスクリターンの把握、自社の財務体力や与信政策基準とリスクを比較するための基準を得ることができ、与信管理の強化と効率化が達成できるのです。そして実務との乖離を調整するのが最終的にはベテラン審査マンの仕事になるべきでしょう。

単なるリスク管理分野で先進的な取り組みを行っている米国の物まねや、金融機関が融資審査に用いるようになった金融工学の物まねではなく、現代の日本経済において、蓄積されたデータをもとに与信取引を行う与信管理手法を理解し、そのノウハウ、リスクマネジメントを全体に浸透させ、社内で進化させていかなければなりません。与信管理を行うためには解決しなければならないことが山のようにあり、習得しなければならない知識も多岐にわたります。 しかし、与信管理戦略なくして生き残っていけない現状があります。また、全てを解決しなくても、現実に実務で管理していかなければ、致命的な焦げ付きが発生する可能性もあり、また、ノウハウ、データも蓄積できません。つまり与信管理には完成形はなく、時代の変化に対応し、常に進歩していかなくてはならないのです。
企業成長と同じように失敗と成功を繰り返し、そのデータをフィードバックし、リスクを定量化しながら実務に根ざした対応が迫られているのです。

与信管理は山登りに似ています。
目の前に山があるのがわかっていてスーツと革靴で山を登る人はいませんし、普通、最低でも運動靴は用意するのと同様に、与信取引を行なうためには、与信管理という備えが必要なのです。
また、目の前の山が数メートルのなだらかな丘であるのにエベレストに登るような重装備では逆に重荷になりすぎて、山頂に登る競争に負けてしまいます。与信取引を行なうときも、取引先、取引内容に応じて効率良く与信管理を行なうことが必要なのです。
また、山頂に到達するルートは無限であり、途中で道を変更してもいいのです。しかし、今から登る山がどんな山なのかを八方手を尽くして情報を集め推測し、山頂に辿り着くために必要だろうと思われる体力、天候の変化も加味して計画を立て、歩みを進めなければなりません。大変だからと尻込みして山を登らないと山頂からの雄大な光景は見ることができませんし、誰かが撮影した山頂からの風景を見て満足していては、山頂に辿り着く手法は身に付きません。まずは、あなたの基礎体力を測り、はじめの第一歩をリスクモンスターと共に踏み出して下さい。

リスクモンスターの与信管理支援サービス

リスクモンスターでは、経営戦略を立てる上で重要なPDCAサイクルを回すために必要な与信管理サービスをご用意しております。

リスクモンスターの与信管理支援サービス

『与信管理ルールの構築(PLAN)』の段階では貴社の取引先全体の分析を行い、与信リスクを定量化・図表を作成してリスクの所在を明確にします。分析を基に、形骸化しない与信管理ルールや運用マニュアルの作成が可能です。

『与信管理ルールの運用(Do)』では取引可否や取引金額を判断できる「RM格付」、「RM与信限度額」など与信判断に必要な指標、企業情報をご提示します。 そのほか、大口先や不安先を継続管理ができるモニタリング機能や、債権保全サービスなどもご活用いただけるため、一気通貫で効率的かつ属人的でない与信管理体制の実現が可能です。

『与信管理ルールの見直し(Check)』や『与信管理ルールの改善(Act)』では改めて取引先全体の分析を行い、リスクモンスターが貴社の今後の与信管理ルールや与信管理体制改善のお手伝いをいたします。

その他にも業務効率化や経営に活かせるサービスをご提供しております。詳しくは以下よりご確認ください。

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