調査結果発表：リスモン調べ～第４回「格付ロジック改定によるＲＭ格付変動の影響」調査～景気好転傾向維持の中、２極分化がさらに進展！

第４回「格付ロジック改定によるＲＭ格付変動の影響」調査
景気好転傾向維持の中、２極分化がさらに進展！

　与信管理ＡＳＰクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社（以下リスモン、本社：東京都中央区、http://www.riskmonster.co.jp/）は、2015 年11月に実施した格付ロジック改定によるＲＭ格付変動を集計いたしましたので、その結果を発表いたします。

１．実施概要

・調査名称　　　：　第４回「格付ロジック改定によるＲＭ格付変動の影響」調査
・調査方法　　　：　ＲＭ格付の遷移状況調査
・調査対象企業　：　2015年11月22日時点でＲＭ格付がＡ～Ｆ格である1,498,216社

２．調査結果

［１］２極分化がさらに進展！ 最警戒評価先にご注意ください！

　2015年11月22日に実施いたしました「格付ロジック改定」に伴う格付変動への影響を調査したところ、82,476件に格付変動が生じ、そのうち格上げ企業数は、37,174件、格下げ企業は45,302件となりました。なお、２ランク以上の変動が生じた企業は、全体で7,257件ありました。
　今回の格付ロジック改定では、定量分析において、業種ごとに特性があると考えられる指標（回転期間分析など）に対して、分析の強化を行いました。また、金融緩和などの政府の経済政策によって、景気好転傾向が維持される中、運転資金や設備資金などの資金需要を原因として企業の資金繰りに影響が生じることを想定し、倒産分析を強化いたしました。
　結果、格付変動状況としては、今後の景況見通しと同様に、格付でも高格付評価であるＡ～C格と最警戒評価であるＦ格がそれぞれ増加し、２極分化の傾向を示す結果となりました。（図表Ａ）

［２］工事業以外は一転格下げ傾向に！

　業種ごとの格付遷移状況では、農業、印刷・同関連業、その他の卸売業、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、その他の小売業、不動産取引業、不動産賃貸業・管理業、技術サービス業、飲食店、洗濯・理容・美容・浴場業、医療業、自動車整備業などでＦ格が増加、格下げ傾向となりました。
　一方で、職別工事業、設備工事業などにおいて、F格が減少し、上位格付が増加、格上げ傾向となっています。（図表Ｂ）

［３］営業キャッシュフローの改善を背景に全体的に良化傾向！

　財務分析上で資金繰りに大きな影響を与えると考えられる借入返済年数別の格付遷移状況を調査したところ、借入償還力が高い企業において上位格付へ遷移したほか、F格で返済原資の乏しい企業においても格上げ傾向となりました。
　これは、直近決算にて赤字計上により償還原資が乏しくなったものの、一方で営業キャッシュフロー上では資金創出が認められ、借入状況等も考慮した結果、資金繰り上の懸念が少ないと判断された先が多かったものと考えられます。（図表Ｃ）

３．総評

　今般の格付ロジック改定では、景気の転換期において、業種によって景気の影響度合いが異なるため、業種ごとの分析を強化しております。また、昨今の経済要因を考慮し資金繰り分析に注力しました。今回の調査結果により、概ね格付ロジック改定の趣旨に沿った格付変動となっていることが改めて確認されたといえます。
　弊社データ工場としましては、今後も定期的に格付ロジック改定を実施し、時勢に合った分析手法を取り入れることで、より高い倒産判別精度を目指し、安全な取引の拡大による経済への貢献に努めていく所存です。

　※本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、こちらよりご覧いただけます。