調査結果発表:リスモン調べ ~格付ロジック改訂によるRM格付変動について

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与信管理サービスを提供するリスクモンスター株式会社(以下リスモン、本社:東京都千代田区、http://www.riskmonster.co.jp/)は、2013年5月に実施した格付ロジック改訂によるRM格付変動を集計いたしましたので、集計結果を発表いたします。

 

1.実施概要

・調査名称 : 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」調査
・調査方法 : RM格付の遷移状況調査
・遷移調査時点 : 2013年5月19日(日)
・調査対象企業 : 2013年5月19日時点でRM格付がA~F格である1,468,593社

 

2.結果概要

[1]「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/全体遷移状況

 2013年5月19日に実施された「格付ロジック改訂」に伴う格付変動への影響を調査したところ、1,468,593社中144,829件(9.9%)に格付変動が生じました。また、そのうち格上げとなった企業数は、58,493件、格下げとなった企業は86,336件あり、2ランク以上の変動が生じた企業は、全体で10,986件ありました。
 今回の格付ロジック改訂においては、中小企業金融円滑化法の終了や政権交代に伴う景況変動によって企業の資金繰りに影響が生じることを想定し、特に資金繰り分析の強化を行いました。そのため、今後の景況見通しと同様に、格付でも優良評価であるA格と警戒評価であるF格がそれぞれ増加し、2極分化の傾向を示す結果となりました。(図表A)

図表A 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/全体遷移状況

 

[2]「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」調査/業種別遷移状況

 業種ごとの格付遷移状況を調査したところ、農業、識別工事業、食料品製造業、飲食料品卸売業、建築材料,鉱物・金属材料等卸売業、飲食料品小売業、機械器具小売業、自動車整備業、その他の事業サービス業でF格が増加し、格下げ傾向となりました。
 一方で、情報サービス業、専門サービス業、学校教育、医療業において、上位格付が増加し格上げ傾向となっています。
この点においても、比較的売上の回収が安定的な業種が格上げ傾向となっており、資金繰り分析の強化による影響が生じています。(図表B)

図表B 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/都道府県別遷移状況

 

[3]「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」調査/都道府県別遷移状況

 都道府県ごとの格付遷移状況においては、北海道、青森県、山形県、新潟県、福井県、長野県、京都府、岡山県、長崎県、大分県などでF格の増加が見られ、神奈川県、福岡県などで高格付が増加しています。
 東日本大震災の影響も収束傾向にあり、ロジック改訂においても地域要素の見直しを行いましたが、被災地域においては、未だ本格復興に至っていない地域もあることから、東北地方では全体的に大きな変動が生じない結果となりました。(図表C)

 

図表C 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/業種別遷移状況

 

[4]「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/自己資本比率別遷移状況

 財務分析の重要要素である自己資本比率別の格付遷移状況を調査したところ、今回の格付ロジック改訂においては、債務超過状態の企業においてF格が増加したほか、一般的に優良とされる自己資本比率30%以上の企業においてA、B格が増加し、顕著な選別傾向が表れました。(図表D)

 

図表D 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/自己資本比率別遷移状況

 

[5]「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/借入返済年数別遷移状況

 財務分析上で資金繰りに大きな影響を与えると考えられる借入返済年数別の格付遷移状況を調査したところ、借入償還力が高い企業において高格付へ遷移したほか、返済原資の乏しい企業においても一部格上げ傾向となりました。これは、直近決算において赤字計上により償還原資が乏しくなったものの、一方で営業キャッシュフロー上では資金創出が認められ、借入状況等も考慮した結果、資金繰り上の懸念が少ないと判断された先が多かったものと考えられます。(図表E)

図表E 第1回「格付ロジック改訂によるRM格付変動の影響」/借入返済年数別遷移状況

 

3.総評

 既述のとおり、今般の格付ロジック改訂においては、昨今の経済要因を考慮し資金繰り分析に注力しました。今回の調査結果により、概ね格付ロジック改訂の趣旨に沿った格付変動となっていることが確認されたといえます。
 リスモンとしましては、今後も定期的な格付ロジック改訂を実施し、時勢に合った分析手法を取り入れることで、より高い倒産判別精度を目指し、安全な取引の拡大による経済への貢献に努めていく所存です。

リスモン情報

リスモン調べとは

リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/

リスモンの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)

2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2024年3月末時点で14,007(内、与信管理サービス等7,498、ビジネスポータルサイト等3,074、教育事業等2,964、その他471)となっています。
ホームページ https://www.riskmonster.co.jp/

本件に関するお問合せ先

リスクモンスター株式会社 カスタマーセンター 広報担当
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
TEL:03-6214-0354 e-mail:press@riskmonster.co.jp

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