取引先リスク管理Q&A ~信用調査会社などの評点や格付が下がった! どんなことが考えられる?~
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Q.信用調査会社などの評点や格付が下がった! どんなことが考えられる?
A.
調査会社は、調査を通じて得た情報を基に評点や格付をつけています。
評点や格付が下がった際は、信用調書を取得したり、調査会社への問合せによって取引先の信用力が大きく下がっていないか、支払能力が悪化していないかを確認しましょう。
解説
評点や格付が下がる理由としては、以下のことが考えられます。
1、業績が悪化
取引先の業績が大幅に悪化して、信用力が低下した場合は、評点や格付が下がることがあります。業績が悪化している場合は、今後の業績予想はどうかを確認し、業績悪化が取引先の支払能力や信用力に与える影響を検証すべきです。
2、財務内容に不安
取引先や金融機関等の第三者から入手した決算書の内容に「債務超過に陥っている」、「借入が多い」、「在庫が過多で不良在庫の可能性がある」、「不良債権が計上されているおそれがある」、「粉飾の疑惑がある」といった不安な点がある場合にも、評点や格付が下がることがあります。可能であれば、取引先から直接財務情報を入手し、財務分析を行って、取引先の支払能力や信用力を評価しなおしましょう。
また、財務情報を直接入手することが難しい場合には、調査会社等第三者から財務情報を入手し、財務内容を確認します。
3、不安情報を入手
信用調査会社が取引先の不安情報を入手し、取引先の信用力が低下した場合に、評点や格付が下がることが考えられます。信用調査会社等からのヒアリングにより詳細な情報を収集し、取引先の評価に役立てましょう。
4、事業継続に懸念
評点や格付が大幅に下がった場合は、廃業や解散の予定がある、事業再生ADRなどの私的整理を行っているなど、取引先の今後の事業に懸念がある情報を調査会社が入手している可能性があります。
調査会社等へのヒアリングにより詳細を確認し、今後の取引の方針や債権保全の方法を検討します。
5、開示姿勢が悪化
今までは調査会社の調査に対し協力的で、情報の開示も行っていた企業が、調査に消極的になったり、取材を拒否するようになった場合、評点や格付が下がることがあります。
開示姿勢が消極的になる理由には、代表者や担当者が変更になり会社の方針が変わった場合や、親会社が変わり開示方針が変更となった場合なども考えられますが、業績や財務内容が悪化し、外に情報を開示したくない可能性が考えられます。通常は、開示姿勢が悪化した場合は、企業が開示したくない状況にあると考え、取引先の信用力を図るべく、情報収集に努める必要があります。