取引先リスク管理Q&A ~公正証書や確定日付って何?どうすればできるの?~

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Q.公正証書や確定日付って何?どうすればできるの?

A.
「公正証書」とは、広義では公文書と同義を指すことがありますが、狭義としては、「公証人が作成した証書で、その内容に対して公証人が証明することで、証拠能力を高めた契約書」を指します。「確定日付」とは、変更できない確定した日付のことであり、「その日にその文書が存在していたことを証明する」ものです。両方共、公証役場で作成・取得することができます。

解説

1、公正証書

(1)作成の効果

 金銭の支払いを目的とする債務(借入金など)については、「債務者が強制執行を受けても異議がないこと」を、公正証書の中に盛り込んでおけば、公正証書自体が債務名義となり、裁判での判決を得ずして、ただちに強制執行を行うことができます。また、通常の売買契約においても、支払遅延の代金に対して、金銭を貸しているという形で再契約を結べば、準金銭消費貸借契約として同様の効力を生じさせることができます。

(2)公正証書作成の準備

 契約者双方が共に法人という前提であれば、手続きに必要なものは、①代表印の資格証明書と代表者印およびその印鑑証明書、または②法人の登記簿謄本と代表者印およびその印鑑証明書、となり、代理人によって行う場合は、さらに③代表者印が押印された委任状、④代表者印の印鑑証明書、⑤代理人自身の身分証明書が必要になります。

(3)公正証書作成の依頼公正証書作成の準備

 全国に設置されている公証役場において、以下の流れで作成することができます。
 ①公証役場へ電話連絡し、契約書の原案を公証役場へ送付します。
 ②公証人はその契約書の内容を見て、法律に違反している部分はないかをチェックします。

  問題なければ公正証書が作成されます。完成までの期間は1週間から数週間かかることもあります。
 ③契約者双方が公証役場へ赴き公正証書を承認します。
  作成した公正証書の原本は公証役場に保管され、いつでも閲覧可能ですが、公正証書に記載されている債権と関係
  のない者は閲覧できません。

(4)公正証書作成費用

 目的価額によって手数料は異なりますが、数千円から作成可能です。目的価額とは契約内容により異なり、たとえば、売買契約によって発生する債権の場合では、売買価格の2倍が目的価額となります。

2、確定日付

(1)取得のメリット確定日付を付与するメリット

 確定日付時点で文章が存在することが認められるため、相手と契約を交わしたタイミングでトラブルになることを回避できます。ただし、文章の内容や真実性を証明するものではないことを心得ておくべきです。

(2)確定日付の取得

 確定日付の取得において、特別に必要となる書類はありません。公証役場に契約書を持参し、その場で確定日付の取得費用700円(2019年8月現在)を支払って、確定日付印を押してもらいます。確定日付の取得手続きを代理人によって行う場合でも、必要な書類はありません。 

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