審査部門の予算策定術(8)~与信管理に必須な予算項目(3)<人件費>~
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審査部門の予算策定術(8)~与信管理に必須な予算項目(3)<人件費>~
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会社経営において、投資はできるだけ効果を考えて行い、経費は最小限に
抑えることが重要課題です。審査部門においてもこれは同様です。
どれだけのコストをかけるのか、経営上の決定事項ですが、少しでも審査
部門の考えや、ビジネスの成長につなげるために審査部としてやるべきことを
経営者側に明確に伝えることで、その意思決定に関与または影響を与える道を
探るべきです。コスト削減するだけがよいことではないのは自明です。
1月~3月にかけて、自社の与信リスクの現状を示しながら、審査部門と
して機能を果たすために必要な予算をどう獲得するか、あるいはどう使って
いくかを一緒に考えたいと思います。今回は、与信管理予算策定において
重要な人件費の項目について詳しく見ていきます。
4.審査部門の予算項目とは
予算策定に必須な項目としては大分すると以下の6つがあります。
(1)情報収集費
(2)担保取得・保証関連費
★(3)人件費関連
(4)スキルアップにつなげる費用
(5)弁護士・司法書士費用等
(6)交際費、会議費
今回は『(3)人件費関連』について詳しく見ていきます。
(3)人件費関連
① 給与・賞与
人員増を計画する場合は、予算折衝にあたり相当な覚悟が必要です。増員した
審査人員の役割(何をさせるのか)、さらに現在の人員では効率化に限界がある
(従来効率化を徹底してきた)等の説明が必要です。
一般的に企業の与信評価、リスク減に向けた具体的な対処を考えると、担当者
1人当たり250~300社ぐらいが限界と考えられます。
人員を確保できない場合は情報収集やモニタリングなど与信審査の一部を外部に
アウトソーシングしてしまうのも一つの手段です。
大口債権などの重要なお取引先は審査部門で管理し、それ以外のお取引先に
ついては年1回のポートフォリオ分析でお取引先全体の見直しを実施することで、
取引先は少なくとも年1回は与信審査を行えるような与信管理体制を構築できます。
② 出張、旅費交通費
審査部門が対応しなければならない業務は、突発的に発生することも多くあります。
支払遅延、倒産等は基本的に予測不能です。したがって、出張することも考え、4半期
に1回地方への出張が発生する等と仮定して、暫定的に予算計上しましょう。
これとは別に、社内の与信マインド向上に社内研修を実施することも審査部門の重要
な役割です。また現場に行ってこそ問題点も分かります。地方・海外の重要拠点への
出張費も、忘れずに計上しておきましょう。海外出張の場合は、データ通信を利用時の
通信料(パケット代)なども確保しておきましょう。
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