与信管理の精度を高める格付の付け方とは?【会社格付制度】
- TOP
- 与信管理コラム・メールマガジン
- 与信管理の精度を高める格付の付け方とは?【会社格付制度】
リスクモンスター株式会社 メルマガ事務局
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆関連部署等にもご回覧頂き、基礎知識の習得にお役立て下さい。◆◆
◇◇バックナンバーは、画面左の「メルマガ」からご覧頂けます。◇◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
りすもん与信管理講座
取引先を統一的な基準で評価しなければならない理由とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
会社の信用力について高低を評価することは、簡単なようで非常に難しいものです。
あの会社は収益力が高いが財務面は少し弱い、この会社は収益力が低調推移しているが
財務は良好…といったように、どちらの会社の信用力が高いのか判断できない、
仲の良い会社や、昔からつきあいのある会社は「色眼鏡」で見てしまいがち…
という悩みは与信管理につきものです。
そこで12月は4回にわたり、「会社格付制度」に焦点をあて、格付制度を用いて
与信管理業務を強化するポイントをお話しします!
【会社を格付する意味】
会社格付は、取引先の信用力を比較可能にするために、取引先を統一的な基準で
評価し、簡潔な記号・数字で表示し分類するものです。
皆様の会社では、取引先を統一的な基準で評価していますか?
規模や社歴、イメージだけで「なんとなくこの会社は大丈夫そう」と根拠のない
判断を行っていませんか?与信管理における格付の評点基準は、あくまでも会社の
支払能力、つまり倒産の可能性に力点がおかれるべきです。
例えば、信用力の高い順にA・B・C・D・E・Fと設定し、それぞれの格付の定義は、
A=「支払い能力が非常に高い」、B=「支払い能力が高い」、C=「支払能力は中程度」、
D=「将来の支払い能力に懸念がある」、E=「支払能力に懸念がある」、
F=「通常取引不適格先」というように定義づけを行い管理するべきです。
【会社格付制度の目的】
会社格付制度は、与信管理ルールの根幹をなすものと言え、その目的は次の3点にあります。
①与信リスクの定量化
皆様は「売掛債権が内包するリスク量」を意識したことはありますか?
リスクを定量化するメリットは、売掛債権の中にあるリスク量を把握できるようになることです。
では、なぜリスク量を把握することが重要なのでしょうか?それは、リスクの量と所在を
把握することで、適切な営業方針が立てられるからです。
また、格付に「倒産確率」を紐付けることではじめて、
「債権残×倒産確率=リスク金額(焦げ付く可能性がある金額)」という考え方のもと、
与信リスクを定量化することができます。
②取引方針の明確化
個社の格付によってリスクや取引の状況がわかるため、積極的に売り込み、取引シェアの
拡大を目指すのか、または現状維持に努めるのか、それとも撤退するのか、といった個社ごとに
取引方針を定めることができます。
③与信管理業務の効率化
格付をもとにした全体的な与信管理ルールを定めることで、リスクに応じた管理が
できることとなり、業務の効率化と審査能力の向上を図ることができます。
以上のように、会社格付を用い取引先を統一的な基準で評価すること、
売掛債権に対する総リスク量を把握することが、与信管理を強化する第一歩です!
第2回は、会社格付を付与する際のポイントについてお話しします。