「カネ」の変化の情報を見逃すな!

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      りすもん与信管理講座

          「与信管理講座 数字に表れない情報の分析~経営の3要素~」

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第3回:カネの面に表れる危険な兆候

 企業の経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」の3つの要素で成り立っていると言われています。

企業は、これらの要素が密接に絡み合って運営されます。

 したがって、会社が資金繰りに窮するような状況である時、つまり「カネ」に問題がある場合は、

必ず「ヒト」、「モノ」などの定性面においても問題点が表れてきます。

そのような変化を見逃さずにいれば、仮に決算書が粉飾されていても、

または決算書を手に入れていなくても、倒産の予兆に気づくことができるのです。

 前回に引き続き、「決算書に表れない情報の分析」をご説明します。

第3回は、ずばり「カネ」の情報について講義をすすめて参ります。金融機関との取引状況や仕入先への

支払振り、近時の焦げ付きに関わる情報などが含まれます。

・メインバンクの変遷

 主力銀行(メインバンク)があるかないか、ある場合は取引歴や支援状況を調べます。

近年は金融機関への国際的規制強化の流れもあり、審査基準は厳しくなる傾向にあります。

 主力銀行が、頻繁に変わっている場合は注意が必要です。主力銀行が交替するということは、

業績悪化などで資金繰りが悪化したことから返済能力が低下し、銀行の与信・支援態勢に重大な変化が

あった場合が多いからです。主力銀行の変更は、取引先が使用している手形や小切手の支払銀行を

チェックするほか、取得した情報の取引銀行の欄を比較することで知ることができます。

 特に上位行から下位行への変更については要注意です。一概には判断できませんが、上位行の融資基準を

満たせなくなり、下位行へ取引を移行するケースも多いからです。取引銀行が変化した場合は、取引先に

理由を聞いてみることが重要です。

・取引銀行が多すぎないか

 企業規模に比べて取引銀行が多い「多行取引」という状態も注意が必要です。経営状態に問題がなければ、

メインとなる銀行が融資をしてくれるものです。取引している銀行が分散しているということは、どの銀行も

大きな与信リスクを取りたくないと考えていると推察することができます。取引銀行が徐々に増える場合も

注意をしておく必要があります。

・取引先への支払いは問題ないか

 支払に関する情報は、資金不足が生じているという意味で倒産に直結する情報ですので、緊急度は最も高い

言える情報の一つです。

 期日延長(手形ジャンプなど)の要請をしているとの情報が流れた場合には、まず経営状態が悪化している

と考えてよいでしょう。こうした情報はあっという間に業界内に広まることが多く、ますます経営悪化に

拍車がかかるため、迅速な対応が必要です。

・焦げ付きに関する情報がないかを調べよう

 主要販売先が倒産した場合、販売代金を回収できないことから資金繰りに支障をきたす可能性があります。

焦げ付きが発生したという場合は、その影響度合いを調べます。販売先に倒産した会社を上げている会社は

注意が必要です。

 また、小さな焦げ付きでも多発しているような場合は、業績悪化のために信用力の低い企業とも

取引せざるを得ない状況に陥っており、管理体制が甘くなっていることが考えられます。

1件1件は大きな影響を及ぼすものでなくても、取引先の異変を表すアラームとなります。

注意する必要があるでしょう。

次回は「ヒト・モノ・カネ」の情報収集ツールである、弊社サービス「e-管理ファイル」をご紹介します。

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