りすもん与信管理講座「信用調書の活用する場合のポイント①~国内信用調書を利用する場合」
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りすもん与信管理講座
「信用調書の活用する場合のポイント①~国内信用調書を利用する場合」
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信用調査を活用する場合、主に「新規先の取引開始審査」、「既存先の継続審査」
そして「継続先の取引拡大」の三つに分けられます。
◆新規取引先に活用する場合
新規の取引の場合、相手の資料がまったくなく、代表者がどういう人物で、
どのような店構えなのかもさっぱりわからないというケースがよくあります。
このような時、信用調書で相手の概要をつかむことは大変有効です。
初対面様子のわからない相手の場合、相手の話をどこまで信用してよいかも
わからないものです。このような場合、信用調書によって直接得た情報の裏付け、
補完ができます。新規に取引を行ってよい先かどうか確認する上で、信用調書の
利用価値は非常に大きく、必ず取得するべきと言えます。
◆既存先の継続取引に活用する場合
既存の継続取引先の場合、不安材料などの早期発見の為に、少なくとも
年に1回は相手先の内容を調べる必要があります。ただ、取引を続けていく
うちに日々の営業活動を通じて情報入手もしやすくなってきます。決算書
などの資料の入手や、訪問した時の相手先の変化などをしっかりフォロー
していれば、必ずしも信用調書を入手しなければならないとは言えない
でしょう。
しかし、次のような場合は信用調書を入手し、相手先の内容を確認すべき
と言えます。
・取引が増加した時
・決算書内容に大きな変化や不明な点が生じた時
・信用不安情報が出た時
・多額な設備投資など、重要な変化が生じた時
・決算書など、十分な資料入手ができない時
◆既存先の取引の拡大に活用する場合
信用調書をいうと、取引の安全を図って危ない取引をさけることのみを
イメージしてしましがちですが、営業活動の拡大を図る目的としても有効に
活用できます。商談成功の鍵は、取引先のことをよく知ることです。
取引先の歴史、背景を踏まえて商談すれば、「よく勉強してきているな」
と取引先からの評価を得られ、社長の経歴から営業畑、技術畑かなどの
人物像を把握すれば、得意分野の話を持ちかけることができます。また
設備投資などの計画がわかれば、他社に先んじてさまざまな提案をおこなう
ことができます。
【信用調書を読み解くには】
取引先の信用調査や営業拡大に大変有効な信用調書
ですが、読む時には次のような点に注意する必要があります。
① 信用調書からは事実を読み取るにとどめ、あくまでも自分の意見とする
ことがないようにしましょう。ベテランの調査員による調査結果といえ
ども、時には主観が入ってしまう場合があります。また、調査員によって
評価が異なる場合もあります。評点、総評を信用しすぎずに、何が事実
なのかを見極めることが重要です。
② 信用調書の内容をそのまま書き写して自分の意見とすることがないよう
にしましょう。信用調書は自社の調査ベースに使い、読み取った事実を
踏まえて、さらに事前でさまざまな面から調査・分析をしていくように
すべきです。信用調書は意思決定の材料にすぎません。
③ 信用調書は自社の調査のベースに使い、読み取った事実を踏まえて、
さらに自前でさまざまな面から調査・分析をしていくようにすべきです。
最も信頼すべきは、自社の営業担当者の直接面談による調査です。
④ 取引先の信用力に対する結論は信用調書に依存せず、最終判断はあくまで
自社で行います。取引先の可否の判断については、最終的に自社の責任に
ついては、最終的に自社の責任となります。信用調書に責任を転嫁する
ことがないようにしましょう。