調査結果発表:第3回 新型コロナウイルスによる影響アンケート(リスモン調べ)

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リスクモンスター株式会社
データ工場

 

 2020年4月7日に発令された新型コロナウイルスの感染拡大に対する「緊急事態宣言」が、当初の終了予定日であった5月6日から5月31日まで延長された。今回、リスクモンスターが独自に行った第3回となる「新型コロナウイルスによる影響アンケート」調査(5月8日~12日実施)に対しては160社から回答が得られ、過半数の企業が「4月の業績が前年よりも悪くなった」と回答し、約7割の企業が「緊急事態宣言の延長によって業績が悪くなると思う」と回答する結果となった。また、新型コロナウイルスの影響が、長期化すると考える企業の割合も増加傾向にあり、さらなる景況感の悪化が懸念される結果となった。

 今回の調査では、新型コロナウイルスの影響によって約4割の企業において、与信管理上のリスクが生じていることが明らかとなった。全体の約1割の企業において取引先の倒産・廃業が発生しており、約2割の企業においては、支払遅延や回収条件変更など、取引先の倒産リスクが高まる事象が発生している。

 緊急事態宣言の延長による景況感の更なる悪化を考慮すると、与信管理上のリスクはさらに高まっていくことが予想され、各企業においては一段と与信管理業務の重要性が高まってくるといえる。

 

【Q1】2020年4月の業績は、前年同月と比較してどのように変化しましたか?

 

 2020年4月の業績について、前年同月からの変化を聞いたところ、「悪くなった」(回答率53.1%)が最多となり、「変わらない」(同36.9%)、「良くなった」(同10.0%)の順となった。過半数の企業において、前年同月に比べて業績が悪化していることが明らかとなった。

 業種別では、全ての業種において4割以上が「悪くなった」と回答しており、悪化の影響が大きい業種としては、職業紹介・労働者派遣業や不動産業、道路貨物運送業を含む「その他」(同57.9%)、「小・卸売業」(同55.9%)、「製造業」(同52.7%)の順となった。「建設業」を除いた全業種で「悪くなった」との回答が最多となり、多くの業種において業績の悪化が進行している様子がうかがえる。




【Q2】緊急事態宣言の延長が自社の業績にどのように影響すると思いますか?

 

 5月6日に緊急事態宣言が解除されていた場合と比較して、延長が自社の業績にどのように影響すると思うか聞いたところ、「悪くなると思う」(回答率68.1%)が最多となり、「変わらない」(同28.8%)、「良くなると思う」(同3.1%)の順となった。多くの企業において、緊急事態宣言の延長が業績悪化に繋がると考えていることがうかがえる結果となった。

 業種別では、悪化の影響が大きい業種は、職業紹介・労働者派遣業や不動産業、道路貨物運送業などを含む「その他」(同84.2%)であり、次いで「サービス業」(同77.8%)、「小・卸売業」(同69.5%)となった。2020年4月の業績が前年同月比で悪化していない企業においても、今後の業績悪化を見込んでいる企業が多く、景況の悪化がうかがえる結果となった。




【Q3】新型コロナウイルスの影響はいつまで続くと考えていますか?

 

 新型コロナウイルスが自社の事業に影響を及ぼす期間について聞いたところ、最も回答率が高かったのは「2021年以降も続く」(回答率29.4%)であり、次いで「2020年末まで」(同25.6%)、「2020年夏まで」(同23.8%)の順となった。
 リスクモンスターが4月10日に発表した「第2回 新型コロナウイルスの影響アンケート」調査の結果と比較すると、新型コロナウイルスの影響が「2021年以降も続く」との回答が4.2ポイント、「2020年夏まで」との回答が3.8ポイント、「2020年末まで」との回答が0.8ポイント増加しており、短期的な終息を見込む回答が減少し、緊急事態宣言の延長を踏まえて、新型コロナウイルスの影響が長期化すると考える企業が増加している結果となった。



【Q4】新型コロナウイルスの影響により、取引先や自社の取引に生じたリスクについて教えてください。

 

 新型コロナウイルスの影響によって、実際に取引先や自社の取引に生じた事象について聞いたところ、全体の6.3%において「取引先の倒産」が、5.6%において「取引先の自主廃業」がそれぞれ発生している。さらに「取引先からの支払遅延」(回答率17.5%)、「取引先に対する回収条件の変更」(同16.3%)、「取引先の休業等による取引の停止」(同20.0%)においては、全体の2割近い企業においてそれぞれ発生しており、コロナウイルスの影響によって企業の取引に大きな影響が現れていることが明らかとなった。

 また、上記の調査に対して、各回答企業毎に最もリスクが高い事象のみを抽出して集計したところ、貸倒れ等のリスクに直結する「取引先の倒産」(回答率6.3%)、「取引先からの支払遅延」(同13.1%)、「取引先に対する回収条件の変更」(同5.6%)の3項目において、全体の25.0%を占める状況となっており、4社に1社は与信上のリスクが高まっている状態にあることが明らかとなった。

 全体の4割近い回答企業において、取引先や自社の取引に新型コロナウイルスによる影響が生じており、今後、影響の長期化によって、そのリスクは拡大していくことが懸念される。





 

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