調査結果発表:第1回 新型コロナウイルスによる影響アンケート(リスモン調べ)

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リスクモンスター株式会社
データ工場

 2019年12月に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)は、瞬く間に世界中に感染が拡がり、2020年3月11日にはWHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言する事態となっている。かかる中で、東京株式市場では日経平均株価が1万7,000円を割り込み、ニューヨーク株式市場においてもダウ平均株価が2万ドルを割り込むなど、世界中の経済に大きな影響を与えている。
 今回、「新型コロナウイルスによる影響アンケート」として、リスクモンスターが独自に行った調査(3月11日~15日実施)に対しては270社から回答が得られ、小・卸売業を中心に約7割の企業が「今後自社の業績は悪くなると思う」と回答し、6割近くが「取引先の倒産などのリスクが高まっている」と回答する結果となった。依然として終息感が見えない状況下において、各社警戒感を強めている様子がうかがえる。
 既に、新型コロナウイルスの影響によって、旅行業や旅客輸送業などの観光関連には大きなダメージが発生しており、旅館業者の倒産も発生している。また、外食産業や小・卸売業においては、外出控えによる消費の低迷が懸念されるほか、製造業においても、海外からの仕入部材の欠品による稼働低下や設備投資需要の冷え込みなどが生じる恐れがあり、決して楽観視出来ない状態といえる。事態の終息まで長期を要する可能性も考慮しつつ、リスク管理体制の更なる強化が必要な状況といえよう。

【Q1】新型コロナウィルスの影響によって、自社の業績はどのように変化すると思いますか?

 新型コロナウイルスの影響による自社の業績の見通しを聞いたところ、「悪くなると思う」(回答率71.1%)が最多となり、「変わらない」(同26.3%)、「良くなると思う」(同2.6%)の順となった。
 業種別では、最も影響度が高く表れたのが「小・卸売業」であり、87.2%が「悪くなるとも思う」と回答した。次いで「製造業」において影響度が高く、74.3%が「悪くなると思う」と回答している。一方で、「建設業」においては、60.0%が「変わらない」と回答しており、他の業種に比べて新型コロナウイルスの影響を受けにくい様子が表れている。



【Q2】新型コロナウイルスの影響はいつまで続くと考えていますか?

 新型コロナウイルスが自社の事業に影響を及ぼす期間について聞いたところ、最も回答率が高かったのは「2020年夏まで」(回答率35.6%)であり、次いで「2020年5月まで」(同18.9%)、「2020年末まで」(同14.8%)、「2020年秋まで」(同11.1%)の順となった。
 「2020年5月までの早期終息」を見込む回答が約3割あったのに対して、「今後半年以上影響が続く」と予想する回答も3割以上に達しており、見通しに対するばらつきが見られる。【Q1】の結果にも表れているとおり、業種や取扱品によっても新型コロナウイルスによる影響度は異なるため、影響する期間の見通しも企業ごとに異なることが想定されるものの、一方でウイルスの感染拡大に関して、依然として終息の見通しも立っていないことも、見通しのばらつきが生じている一因と考えられる。



【Q3】新型コロナウイルスに対して、自社ではどのような対策が行われていますか?

 新型コロナウイルス対策としての企業の取組みについて聞いたところ、「セミナー・展示会等の催事の延期・中止」(回答率80.0%)が最も多く、次いで「出張の延期・中止・禁止」(同75.2%)、「オフピーク通勤の導入・促進」(同63.0%)、「会議をTV会議に変更」(同57.0%)、「入館・入室時の消毒・検温の実施」(同52.6%)の順となり、これらの対策においては、半数以上の企業が取り組んでいることが明らかとなった。「テレワークの導入・促進」や「マスク着用の奨励・義務化」が半数以下となっている理由としては、テレワークに関しては、業種や職種によってテレワーク化が困難な業務があること、インフラ面が整っておらず準備中であること等が理由として挙げられており、マスク着用に関しては、マスク不足により社員全員分の確保が困難であることが挙げられている。
 また、その他の対応として、政府主導による小・中・高等学校の休校への対策として、「子供同伴での出勤許可」、「育児に関する特別休暇の付与」、「有給休暇の奨励」などを実施している企業もうかがえる。
「対応していない」と回答した企業は全体の1.9%にとどまり、98%以上の企業において、新型コロナウイルスに対して何らかの対策を講じている状況が浮き彫りとなった。



【Q4】新型コロナウイルスの影響で、取引先の倒産などのリスクが高まっていると思いますか?

 新型コロナウイルスの影響による取引先の倒産リスクなどの動向について聞いたところ、「リスクが高まっていると思う」(回答率58.9%)が半数以上を占めた。
 業種別では、「リスクが高まっていると思う」の回答率が「小・卸売業」(同70.5%)において最も高くなっており、外出控え等による消費低迷の影響が表れた結果と考えられる。
 「リスクが高まっていると思わない」の回答においても、「現状では危機感は感じるに至ってはいないが、事態の終息までに長期を要するようであれば、倒産増加につながると考えている」という意見もあり、鎮静化の目途が立たない状況が続けば、今後「リスクが高まっていると思う」の割合が増加していくことが想定される。



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