反社会的勢力対応規程の作り方と効果的な実施例

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企業にとって反社対策は最優先課題の1つになりますが、社内規程も無関係ではありません。反社対策が盛り込まれていない社内規程では、行政処分の対象になりかねない不安要素が満載です。

今回は社内外の反社対策として、いかに社内規程が重要か解説いたします。

 

◆反社会的勢力との関わりを避ける必要性

そもそも“反社”とは何なのかを知ることが、反社対策のファーストステップになります。

・反社会的勢力とは何か?

反社と暴力団はほぼ同じ関係になります。一般的な定義だと暴力や脅し、詐欺的手法を使って不当な要求行為を行い、経済的利益を追求するのが反社です。

暴力団は反社の代表的組織ではあるものの、あくまでも分類の1つでしかありません。いわゆるフロント企業と呼ばれる暴力団絡みの企業や総会屋、新聞ゴロの他、オレオレ詐欺やハッキング行為を行う特殊詐欺も反社に含まれます。

「反社=暴力団」の認識だと暴力団以外の集団、個人を見過ごしてしまうので、気をつけたいところです。

・企業にとってのリスク

反社との関係は、企業を破滅に追い込む重大なリスクになります。風評が立つだけでも企業のイメージが失墜し、業績が悪化する引き金になりかねません。

反社とのつながりが明るみに出れば、巻き込まれないよう取引先も契約を解除するはずです。企業にとって最も怖いリスクは、銀行から突然宣告される融資ストップかも知れません。

資金使途違反が発覚すれば、融資金の一括返済を求められる事態も想定されます。金融機関の通告は非常にシビアです。

このように、企業にとって反社との関わりは倒産に直結する恐ろしいリスクになります。法的処分の対象にもなるため「知らなかった」では済まされません。

・法律的な背景と企業の責任

反社リスクが年々巨大化しているのは、法律的な背景も影響しています。

“犯収法”こと犯罪収益移転防止法は2008年、東京都暴力団排除条例は2011年に施行され、翌年“暴対法”の略称で知られる暴力団対策法が施行されました。

国と自治体、警察によって反社を徹底的に排除する法律が強化されている現在、反社対策は企業の責任の1つになっています。

今は反社との関係が発覚すれば、上場も廃止される時代です。大企業だけではなく中小企業や個人事業主にとっても、リスク回避手段として反社対策が必要不可欠になりました。

 

◆社内規程の策定とその重要性

反社対策の取り組み方にも色々ありますが、社内規程の策定も重要なプロセスです。

・社内規程策定の目的

社内規程は、会社が独自に定めるルールをまとめたものです。策定の目的は秩序の維持や業務効率化、リスクの防止など多岐にわたります。

法的な効力がないものが大半ですが、組織と社員の双方にとってメリットがあるため、多くの企業が社内規程を策定しています。

例えば業務の効率化も代表的な目的になりますが、明確なルールがあると仕事がやりやすくなります。業務をマニュアル化すれば、社員1人1人が一貫した基準で判断を下して的確に行動できます。

就業ルールに関しては就業規則を作成しますが、懲戒解雇規程をつけ加えておくことも重要なポイントです。
どのような行為が違反にあたるのか、それぞれの違反行為にどのような処分を下すルールなのか文書化し、周知します。
コンプライアンス違反の制裁は個人も企業も大きな代償を負うことになりますが、法的に有効な就業規則でも懲戒規定が抜けていれば、該当社員を懲戒処分できません。
企業が莫大な損害を被った場合でも、損害賠償を請求できないケースも考えられます。
反社対策についても明確に記載する必要があります。

社内規程に盛り込むことで社員のコンプライアンス意識も高まり、対外的にも健全経営のアピールにつながり信用を得やすくなるでしょう。

・社内規程の基本的な内容

社内規程の内容は企業によってバラバラですが、法律で作成が義務付けられている就業規則は必ず記載されているはずです(労働基準法によって常時10人以上の従業員が雇用されている会社が対象)。

また、反社条項も努力義務化されているので、契約時には暴排条項も設けましょう。

<会社の経営や運営に関するもの>
定款/社訓/企業理念/取締役会規程/役員規程/諸会議規程

<組織や職務の権限に関するもの>
組織図/倫理規程/職務権限規程/稟議規程

<就業規則や給与など人事労務に関するもの>
就業規則/賃金、給与規定/賞与規定/出張旅費規程/退職金、退職年金規程

<安全衛生や文書の取扱など総務に関わるもの>
安全衛生管理規定/文書取扱規定/印章取扱規定

<経理や在庫管理など業務管理に関わるもの>
経理規定/原価計算規定/在庫管理規定/予算管理規定/販売規定/購買規定/与信管理規定

<近年のライフスタイルに合わせたもの>
個人情報管理規定/秘密情報管理規定/反社規定、ハラスメント防止規定などコンプライアンス規定/副業、兼業規定/ソーシャルメディア規定、テレワーク規定

・規程策定のプロセス

社内規程策定のプロセスでは、目的をハッキリさせることから着手します。カバーする範囲は広いため、目的や背景を明確にして方向性を定める必要があります。

全体を通して従業員が理解しやすい構成を組み立てることも重要です。次のプロセスでは、情報収集作業に入ります。カテゴリーを整理し、関係部署と調整しながら情報を集めます。

法令とも照らし合わせ、社会の流れ、業界の習慣も加味します。現場の声もしっかりヒアリングしてください。

情報をまとめ草案を作成したら、関係者や専門家にも内容を確認して貰った方が安心です。規程策定後は、社員に周知します。

コピーを従業員に交付したり、休憩スペースなど見やすい場所に掲示したりするのも、定番の周知方法です。いつでもアクセスできるよう、パソコンにデジタルデータとして記録するのもおすすめです。

 

◆社内規程の運用方法と実施例

社内規程を策定しても、そのまま放置するのはNGです。目的を果たすためにも、きちんとした方法で運用していきましょう。

・取引先のスクリーニング

社内規程の策定だけではなく、取引先のスクリーニングも必須です。反社との関わりを手作業で調べるのは途方もない時間がかかる上、ネット情報の検索だけでは精度に問題があります。

ただ、調査会社に1件1件依頼するのはお金も時間もかかります。コストも含め、確実性や効率性を考えると専門のスクリーニングサービスを利用した方が賢明です。

  >> リスクモンスター「反社チェックサービス」

例えばリスクモンスター株式会社のサービスなら、審査業務を低コストかつ効率的に済ませられます。一般的な与信管理のサービスに加え、スピーディーかつ多角的な反社チェックが可能です。

会員になると網羅性に富んだ信ぴょう性の高いデータベースを使えるので、時間と工程を大幅に省けます。

上記データベースは精度が高く、新聞紙50紙、過去10年分の記事から検索を実施し、訴訟情報や行政処分など重要度の高い情報も拾い上げています。

単純なネット検索によるスクリーニングとは、比較になりません。

・従業員への教育と意識づけの方法

社内規程を運用する実施例として、研修も効果的です。社内規定を整備しても、従業員のコンプライアンス意識が低ければ社内に爆弾を抱えているようなものです。

無知ゆえプライベートで反社絡みの会社、人物と接触してしまうケースもあるでしょう。従業員の教育と意識づけの方法では、研修が役立ちます。

研修スタイルもオンラインは効率、コストの面で企業側、社員側の双方にメリットがある方法です。

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自分のペースで勉強できるeラーニング、より実践的な講義でノウハウを学べるWebセミナーを自由に組み合わせて学習できる画期的なシステムです。

反社取引管理に関しても基礎編、実務編、総合版・・・と段階を追って学べるので、社員の教育と意識付けに最適ではないでしょうか。

さらに、履歴や進捗も可視化されているので、受講状況や成績など研修管理の効率性も抜群です。

・定期的な規程の点検とアップデート

反社に対する取り締まりはここ10~20年間でより厳しくなり、今では社内規程に盛り込むことが努力義務になっています。

このように企業を取り巻く環境はつねに変化しているため、社内規程の運用にあたって定期的な点検の実施が欠かせません。

時代の移り変わりに合わせ、内容をアップデートしましょう。<社内規程+研修>の二重対策で、社内外の反社対策は万全です。

 

◆取引開始後に反社と発覚した場合の対処法

・弁護士・警察への相談

反社との関わりがわかり次第、早い段階で弁護士や警察へ相談しておきましょう。近年は法律の専門家を雇っている反社も増えています。

証拠も契約書の記載もないのに一方的に契約を解除すれば、法的な知識を悪用されて弱みを握られ、揺すりのネタにされる展開も予想できます。弁護士や警察の他、暴追センターでも相談に乗ってもらえます。

・取引中止と対外的なコミュニケーションで問題解決

反社発覚後はただちに取引を中止しますが、トラブルの隠蔽は必ずしも得策ではありません。事態が落ち着いてからの発表では“時すでに遅し”になりかねません。

むしろメディアを通じて適切な情報開示を行うのが賢明な選択です。弁護士などスペシャリストと相談しながら、対外的なコミュニケーションの成功をめざしましょう。

緊急事態が発生していることを率直に伝え、反社には屈しないことを宣言すれば、他の取引先や株主、一般消費者などステークホルダーの理解も得やすくなります。

 

◆【まとめ】反社会的勢力対策としての社内規程の重要性

反社対策として、社内規程は重要な存在です。策定プロセスは大変ですが、うまく活用すれば極めて高い効果が得られるでしょう。

大切なことは反社対策を社内規程に盛り込み、定期的に点検をしてアップデートを欠かさずに運用することです。

もちろん、反社対策のために貴重な人材と時間を消耗するのは賢明な選択ではありません。反社の脅威から効率よく企業を守るためにも、反社対策の専門サービスをうまく活用してください。

  >> 5秒で反社チェックできるリスクモンスター

 

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