調査結果発表:第1回「コミュニケーション不足に関する影響」調査(リスモン調べ)

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リスクモンスター株式会社
データ工場

 コロナ禍でテレワークが普及し、職場でのコミュニケーション様式が変化する中、コミュニケーション不足が業務に与える影響について、リスクモンスターが独自に調査(2022年7月28日~8月1日実施)を行ったところ、800人から回答が得られた。
 今回の調査において、コミュニケーション不足によって業務に「支障あり」と回答した人は8割以上を占めた。「40代以上」、「大企業」、「管理職」、「テレワーク実施者」において、業務に支障をきたしやすい傾向が表れており、業務支障の内容としては、「情報共有不備」に関する支障が7割以上で生じている。特に企業規模が大きいほど「情報の共有」や「認識の統一」に関する不備が生じる傾向にあり、従業員数が多いことが影響していると考えられる。
 働き方の変化がコミュニケーション様式と業務支障に及ぼす影響を捉えるべく、テレワーク普及状況を調査したところ、「大企業」の4割弱でテレワークが導入されているのに対し、「零細企業」では1割強に留まっており、企業規模が大きいほど導入が進んでいることがわかった。また、「テレワーク未実施者」においては、「対面によるコミュニケーションが最も望ましい」と捉えている割合が圧倒的に高いことが明らかとなった。「大企業」よりも「零細企業」の方が、コミュニケーション不足に起因する業務の支障が発生しにくい背景には、少人数によるコミュニケーションの取りやすさに加え、テレワークの普及が進んでいないことが要因として考えられる。

 今回の調査結果によれば、多くの企業でコミュニケーション不足に起因する業務の支障が発生し、課題となっていることが浮き彫りとなった。またその中で、「対面」によるコミュニケーションは、その頻度が多いほどコミュニケーション不足に起因する業務の支障を発生させにくい傾向があり、イメージや細かいニュアンスを共有する手段として優れていると考えられる。
 しかしながら、コロナ禍を機にテレワークが普及し、企業側としても経営効率化や社員のワークライフバランス向上の一環としてテレワークを推進しようとする昨今において、「対面」のみに頼ったコミュニケーション様式には限界があると言えよう。新しい働き方でも最大の効率を生み出すために、テレワーク時においても効果的なコミュニケーションを図るための工夫やルール作りに努めていくことが求められているのではないだろうか。

 

 

[Q1]コミュニケーション不足によって自身の業務に支障をきたしていますか?

 コミュニケーション不足による業務の支障の有無について調査を行ったところ、「支障あり」(回答率 84.1%)が、「支障なし」(同 15.9%)を大きく上回り、8割以上がコミュニケーション不足によって業務に支障が生じていることがわかった。(図表A)
 世代別では、「支障あり」と回答した割合は「40代」(同 87.5%)が最も高く、「20代」(同79.5%)より8ポイント高い結果となった。年齢が高いほどコミュニケーション不足によって業務に支障が生じている傾向がうかがえる。
 企業規模別では、「大企業」(同 12.9%)、「中小企業」(同17.0%)、「零細企業」(同26.0%)と企業規模が小さくなるにつれて「支障なし」の割合が高まる傾向がみられており、企業規模が小さい方がコミュニケーション障害が生じにくい状態にあることが表れている。
 役職別では、「管理職」の9割以上が「支障あり」(同 94.6%)と回答しており、「一般社員」(同 84.7%)、「役員」(同 84.2%)に比べて高い結果となった。管理職においては、上司や部下のみでなく、他部署との連携を図る機会も多く、コミュニケーション範囲が広いことがその要因として考えられよう。
 テレワーク実施有無別における「支障あり」の割合は、「テレワーク実施者」(同90.5%)が「テレワーク未実施者」(同81.4%)に比べて9.1ポイント高い結果となった。(図表B)

 

[Q2] コミュニケーション不足によって自身の業務にどのような支障が生じましたか?

[Q1]にてコミュニケーション不足によって業務に「支障あり」と回答した人に対して、どのような業務の支障が生じたのか調査したところ、「情報共有不備」(回答率 75.3%)と回答した人が最も多く、全ての属性で最多の回答を占めた。次いで、「業務の引継ぎやスキル・技術の継承」(同 35.4%)、「業務の相談・質問不足」(同 34.9%)となった。
 企業規模別では、「情報共有不備」、「業務の相談・質問不足」、「仕事の方向性に関する認識の不一致」において、企業規模が大きくなるほど回答割合が高まる結果となっており、特に「情報共有不備」(大企業80.6%、中小企業71.4%、零細企業59.7%)においては、大企業と零細企業の回答率に20ポイント以上の差が生じていることから、従業員数が多いことが情報共有の不備を生じやすくしている要因の一つになっていると考えられる。(図表C)

 

 

 

[Q3] テレワークの実施状況及びコミュニケーションのきっかけとして最も望ましい手段について

 テレワークの実施有無について調査を行ったところ、「テレワーク未実施」(回答率67.6%)が「テレワーク実施」(同32.4%)を大きく上回った。企業別にみると、「テレワーク実施」は、「大企業」(同38.6%)、「中小企業」(同28.1%)、「零細企業」(同13.0%)の順に高い結果となっており、企業規模が大きいほど、テレワークの導入が進んでいる状況となっている。「大企業」よりも「零細企業」の方が、コミュニケーション不足に起因する業務の支障が発生しにくい背景には、少人数によるコミュニケーションの取りやすさに加え、テレワークの普及が進んでいないことがその要因として考えられる。(図表D)
 コミュニケーションのきっかけとして最も望ましい手段について調査を行ったところ、「対面」(同54.5%)が5割を超え、次いで「チャット」(同17.0%)、「メール」(同16.8%)、「電話、オンライン通話」(同11.8%)の順となった。
 企業規模別においては、「対面」がすべての区分で1位となった一方で、各区分の2位項目としては、「大企業」では「メール」(同20.1%)、「中小企業」では「チャット」(同20.6%)、「零細企業」では「電話、オンライン通話」(同16.3%)と差がみられた。
 テレワーク実施有無別では、「テレワーク実施」において「チャット」(同35.7%)が1位となり、「テレワーク未実施」(同8.9%)に比べて26.8ポイント高い結果となった。「テレワーク未実施」においては、「対面」(同66.9%)が6割以上を占めて1位となり、「テレワーク実施」(同25.7%)に比べて41.2ポイント高い結果となった。働き方の違いによって、望ましいと考えるコミュニケーション手段に差が生じていることがうかがえる。(図表E)

 

 

 

■リスモン調べ動画

今回発表の調査結果について、「コミュニケーション不足に関する影響」動画を作成しました。2人のコメンテーターの掛け合いによる解説をお楽しみいただけます。

掲載サイトよりご覧ください! https://youtu.be/TYC486bAL3w

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