調査結果発表:第1回「アフターコロナの働き方」調査(リスモン調べ)

  1. TOP
  2. 与信管理コラム・メールマガジン
  3. 調査結果発表:第1回「アフターコロナの働き方」調査(リスモン調べ)

リスクモンスター株式会社
データ工場

 

  2022年5月23日、日本政府により新型コロナウイルス感染症対策の「基本的対処方針」が改訂され、屋外や会話を伴わない場面でのマスク着用が緩和されるなど、コロナ禍が徐々に終息に向かいつつある中、今回、リスクモンスターが独自に行った「アフターコロナの働き方」調査(6月 28日~7月 4日実施)に対しては119社から回答が得られた。本調査では、主にコロナ禍以降に生じた働き方の変化と、アフターコロナに見込まれる働き方の変化について調査を行った。

 コロナ禍終息時期の見込みについては、8割近くが2023年以降も続くと考えており、うち3割は今後1年半以上続くと見込んでいることが明らかとなった。また、自社の業績については、コロナ禍の終息によって大半の企業で改善を予想しており、飲食や旅行など外出や対面接触の自粛による直接的な影響を受けている業態に限らず、全体的な経済の活性化によって業績改善に繋がることを期待しているものと考えられる。

 また、コロナ禍以降、働き方の変化として「懇親会の減少」や「出張の減少」、「web会議(ミーティング)の導入」、「テレワークの導入」など、移動や接触の低減に繋がる対策がほぼすべての回答企業において実施されている中で、アフターコロナに向けては、「テレワークの減少」や「出張の増加」、「懇親会の増加」など、働き方をコロナ前に近づけていく意向も確認されている。
 アフターコロナは、テレワークを減らし出社を増やす企業の増加が見込まれるが、7割の企業においてweb会議を継続活用する意向がある点からは、全てが出社に切り替わるわけではなく、今後もテレワークを併用した働き方の継続が予想される。

 本調査では、コロナ禍の完全な終息にはもうしばらく時間がかかると考える企業が多いが、テレワークやweb会議など新たな働き方に対して、既に多くの企業がメリットとデメリットを認識しており、アフターコロナの働き方について徐々にイメージを持ち始めている様子が表れている。コロナ禍は、確かに経済に大きな打撃を与える災禍であるが、コロナ禍がなければ、テレワークやweb会議などの新しい働き方の導入や定着には、多くの時間を要することになったかもしれず、その意味では、将来ビジネスパーソンの働き方の変化を振返ったときに、大きな転機と捉えられるようになるのではなかろうか。アフターコロナが見えてきた中、コロナ禍で進化した新たな働き方が企業の生産性向上と景気回復に繋がっていくことを期待したい。

 

[Q1]新型コロナウイルス感染症は、いつ頃終息すると思いますか?

 新型コロナウイルス感染症の終息時期の見込みについて聞いたところ「2023年内」(回答率44.5%)が最多となり、「2024年以降」(同31.9%)、「2022年内」(同18.5%)、「既に終息したと思う」(同5.0%)が続いた。
半年以内の終息を見込んでいるのは、わずかに2割強であり、約8割が2023年以降も続くと考えており、うち3割は「終息は2024年以降」と長期化を見込んでいることが明らかとなった。(図表A)

 

[Q2] コロナ禍で自社の業績はどのように変化しましたか?

 コロナ禍での自社業績の変化について聞いたところ、「悪くなった」(回答率40.3%)が最多となり、「変わらない」(同37.8%)、「良くなった」(同21.8%)と続いた。
 業種別では、「製造業」(同47.5%)、「卸・小売業」(同41.7%)、「サービス業」(同40.0%)において、「悪くなった」が4割を超えた一方で、「建設業」(同33.3%)、「サービス業」(同28.0%)、「卸・小売業」(同27.8%)においては4社に1社が「良くなった」と回答しており、コロナ禍において業績を伸ばした企業があることもうかがえる。(図表B)

 

[Q3] 新型コロナウイルス感染症が終息した場合、自社の業績はどのように変化すると思いますか?

 新型コロナウイルス感染症が終息した場合、自社の業績がどのように変化すると見込まれるか聞いたところ、全体では「良くなると思う」(回答率56.3%)が最多となり、「変わらない」(同37.0%)、「悪くなると思う」(同6.7%)と続いた。
 業種別においても、全ての業種で「良くなると思う」が最多となっており、特に「卸・小売業」(同63.9%)は6割超が終息後の業績回復に期待を寄せていることがうかがえる。(図表C)

 

[Q4]新型コロナウイルス感染拡大以降、自社の働き方にどのような変化が生じましたか?

 新型コロナウイルス感染拡大以降、自社の働き方に生じた変化について聞いたところ、「懇親会が減少した」(回答率98.3%)が最多となり、「web会議(ミーティング)を導入した」(同95.8%)、「出張回数が減少した」(同89.1%)、「テレワークを導入した」(同84.0%)と続いており、大多数の企業で非接触の対策を講じている。
 業種別においても、「懇親会が減少した」、「web会議(ミーティング)を導入した」、「出張回数が減少した」の上位3項目は、全業種で8割超が該当しており、幅広い業種が導入した項目であるといえよう。一方、テレワークについては、事業特性上、対面でのやり取りの多い「卸・小売業」(回答率72.2%)において、約7割の回答に留まっている。(図表D)

 

 

[Q5] 新型コロナウイルス感染症が終息した場合、自社の働き方はどのように変化すると思いますか?

 [Q4]で生じた働き方の変化は、新型コロナウイルス感染症が終息した際にどのように変化すると思うか聞いたところ、約半数が「テレワークが減少する」(回答率49.6%)と回答した一方で、「web会議が減少する」(同16.8%)は2割を下回った。web会議の減少が低水準であることに関しては、web会議の機能的便利さが評価されていることとは別に、テレワークを減らすものの完全に廃止する企業は多くなく、一部に対してテレワークを適用する際に、web会議が必要となるという事情も含んでいるものと考えられよう。
 また、「出張が増加する」(同70.6%)、「懇親会が増加する」(同73.1%)はともに7割超の回答率となり、コロナ禍以降に減少した「出張」や「懇親会」については、終息後に増加を見込む企業が多数を占めた。(図表E)

 

 

 
page top