調査結果発表:第1回「週休3日制に関する意識」調査(リスモン調べ)
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リスクモンスター株式会社
データ工場
2021年6月に閣議決定された、「経済財政運営と改革の基本方針2021年」(骨太の方針)に、「選択的週休3日制」が盛り込まれた。新たな働き方の選択肢が生まれる中で、実際に現在週休2日制で働く人が、週休3日制に対してどのような意識を持っているのか調査を行った。
今回、リスクモンスターが独自に行った第1回「週休3日制に関する意識調査」(2022年5月24日~5月26日実施)では、週休2日制で働く社会人を対象に800人からの回答が得られた。
今回、①現状維持(以下、週休2日制)、②休日は増えるが給料は減額(以下、週休3日制・給料減)、③休日は増えるが1日当たりの労働時間は増加(以下、週休3日制・労働増)の3パターンが選択できる前提で調査したところ、「週休2日で十分に休息が取れている」、「仕事の効率が下がる」という理由から、「週休2日制」を選択する人が過半数となり、週休3日制が注目される中においても、現状の働き方のままで良いと考える人が多いことが明らかになった。
「週休3日制」を選択する理由としては、「プライベートが充実する」が多数を占め、休日増加によるワークライフバランスの改善を期待している様子も表れたものの、週休3日制を選択した人の4人に3人が「週休3日制・労働増」を選択しており、休日増加との引き換えは、給料減額よりも労働時間の増加を望む人が多い結果となった。また、現状の残業時間を基に回答結果の傾向をみると、現状で残業時間が抑制できている人においては、休日が増えたとしても1日当たりの労働時間が増加することに抵抗がある点がうかがえたり、残業時間が多めの人においては、労働時間の増加よりも給料の減額の方が受け入れやすい様子もうかがえる。
企業は、従業員のワークライフバランス改善のために週休3日制の導入等の検討を求められるが、その結果、収益効率が悪化することは避けねばならず、休日を1日増やす代わりに1日当たりの労働時間の増加や給料の減額といった策を取り入れざるを得ない。一方で従業員としては、労働時間の増加や給料の減額を避けたい意向があったり、テレワーク導入時のように新たな働き方の導入に対する抵抗もあったりするだろう。両者にとってwin-winの環境を築くことは容易ではないが、ワークライフバランスの改善など新しい働き方が求められる中で、企業には工夫を凝らしてその実現を目指していくことが求められよう。
[Q1]「週休2日」、「週休3日制・給料減」、「週休3日制・労働増」、のうち、どれを選択しますか?
現在、週休2日制の企業に勤務する人に対して、「週休3日制が選択できる場合、どの働き方を選択するか」についてアンケートを実施したところ、「週休2日制」(回答率56.4%)の回答が最も多く、次いで「週休3日制・労働増」(同31.9%)、「週休3日制・給料減」(同11.8%)となった。「週休2日制」の回答が過半数となり、週休3日が選択できたとしても、現状と同じ週休2日を希望する人が多いことが分かった。
また、「週休3日制・労働増」は「週休3日制・給料減」よりも20.1ポイント高く、週休3日制を希望する人においては、4人に3人は労働増を希望していることから、週休3日制になったとしても給料の減額は避けたいと考えている人が多いことが表れている。
未既婚別では、既婚者と未婚者の傾向に大きな差はなく、総じて全体と同様の回答傾向となった。世代別では、「40代」、「50代」において「週休2日制」(回答率 40代61.5%、50代60.0%)が高い反面、「週休3日制・給料減」(同 40代7.0%、50代10.5%)が低い結果となり、30代においては、「週休3日制・給料減」(同16.0%)が高い結果となった。40~50代では、子育てや住宅ローンなど、金銭面での負担が大きくなることが、給料の減額を避けたいという意識に繋がっていると考えられる。(図表A)
[Q2]「週休3日制・給料減」、「週休3日制・労働増」、「週休2日制」を選択した理由は何ですか?
Q1での選択理由を調査したところ、「週休2日制」を選択した理由としては、「週休2日で十分に休息が取れている」(回答率39.2%)が最も多く、「仕事の効率が下がる」(同32.4%)、「休日の出費が多くなる」(同22.8%)が続いた。現状の週休2日制に不満は少なく、休日の増加により仕事の効率が下がるなどのマイナスの変化が生じることを避けたいと感じている人が多いことが分かった。
一方で、週休3日制を選択した理由としては、「プライベートが充実する」(同68.1%)が最多となり、「趣味の時間が充実する」(同36.2%)、「家族との時間が増える」(同25.5%)と続いた。上位3項目においては、「週休3日制・労働増」、「週休3日制・給料減」のいずれも同様の傾向が見られており、週休3日になることに対して、プライベートの時間が増えることをメリットとして捉えている人が多いといえる。「副業がしやすくなる」においては、「週休3日制・労働増」よりも「週休3日制・給料減」の方が6.9ポイント高く、副業の実施を前提に、休日を副業に充てることによって、給料の補填ができると考えている様子がうかがえる。
[Q3]1か月の残業時間/所得金額
1か月の残業時間とQ1の回答結果の関係性を調査したところ、全体とQ1回答区分毎の分布傾向に大きな差はない結果となったものの、「週休3日制・労働増」を選択した層において、残業時間「10時間未満」(回答率51.4%)と「50時間以上」(同2.0%)が全体よりも回答率が低くなっている点については、現状で労働時間を少なく抑えられている中で、週休3日になったとしても一日当たりの労働時間は増やしたくない意向を持っていたり、現状の残業時間が多い中で、週休3日になったとしても更なる労働増となることへの抵抗感を持っている様子がうかがえる。
また、「週休3日制・給料減」を選択した層において、残業時間「50時間以上」(同3.2%)が全体よりも回答率が高くなっている点については、現状で残業収入を含めて十分な収入がある中で、給料が減ったとしても休日が1日増えることを歓迎する意向が表れているといえる。
■リスモン調べ動画
今回発表の調査結果について、「週休3日制に関する意識」動画を作成しました。2人のコメンテーターの掛け合いによる解説をお楽しみいただけます。
掲載サイトよりご覧ください! https://youtu.be/QQhjLWvjL5o