取引先の与信限度の見直し方法No.10~『5つの管理領域』に基づく限度額申請とは~
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取引先との取引を継続するに当たっては、当該取引先の信用力を定期的に診断し、
与信リスクが変動していないか、取引内容にあった与信限度となっているか、決裁
された条件で取引されているかなどを点検し、適切な与信限度を設定することが必要です。
7月から9月まで全10回に渡って、与信限度の定義と与信限度の見直し手順、
また与信管理を効率化かつ強化するルール設定法について説明します。
前回は以下の①~⑤からの『5つの管理領域』に取引先を分類し、リスクに
応じて決裁者、管理方法をすることで、与信管理を強化と効率化がで実現
できるということをお伝えしました。
–3本の線引き(※)による5つの管理領域——————-
①少額与信領域
②重点営業領域
③集中管理領域
④優良政策案件管理領域
⑤高リスク政策案件管理領域
—————————————————
今回は、①~⑤の管理領域ごとの与信限度設定の申請フローと添付書類に
ついて具体的な例を用いてにお伝えします。
■ 管理領域別の与信限度設定における分掌の例
■ 管理領域別の与信限度申請時の添付書類の例
① 少額与信領域
与信リスクが小さいため、限度設定の申請を不要とし、完全に営業の現場に
任せ取引をスピーディにすることで効率化できます。
② 重点営業領域
比較的リスクは低くいため、申請~決裁まで営業部門専決でも問題なく、
添付書類は企業概要を必須とするのみとしてある程度営業部門に案件
管理を任せて効率化します。
③ 集中管理領域
営業部門の専決とはせず、管理部門にて審議した後で決裁するようにし、
管理レベルを一段階上げることが求められます。添付書類は概要と決算書
を必須とし可能であれば信用調書を添付として、管理部門で十分な審議を
行えるようにしていくことが重要となります。
④ 優良政策案件管理領域
いわゆる上得意先が該当する領域ですが、信用力低下によるリスク増大を
懸念すべき領域でもあります。添付書類として信用調書までを必須とし、
営業部長が申請をし、管理部長が審議し、最終決裁は社長とすることで、
管理レベルをさらに上げ全社的に管理をしていくことが必要となります。
⑤ 高リスク政策案件管理領域
リスクが非常に高いゆえに、与信管理に割くことができる経営資源を最大限に
振り向け、集中的に管理すべき領域です。全社的に取引先を管理していくことが
必要となり、対象企業について収集できる限りの情報は添付し、管理部門で
厳正な審議を行えるようにするだけではなく、更新頻度を増やすなどで見直しに
コストをかける一方、具体的なリスク軽減策を立てることが求められます。
リスクモンスターのポートフォリオサービスなら
貴社の決算資料、お取引先、与信額・債権残をリストでお預かりすることで、
『3本の線引き』を行い、1社1社マッピングし①~⑤の管理領域による
最適な与信管理を実現できます。
ご導入いただくことで、取引先の全体のリスク構成の把握、個社ごとへの対応の
明確化、与信管理のルールの構築、与信管理にかけるべきコストの算出を一挙
に行うことができます。
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