取引先の与信限度の見直し方法No.09~与信管理を強化する『5つの管理領域』~
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取引先との取引を継続するに当たっては、当該取引先の信用力を定期的に診断し、
与信リスクが変動していないか、取引内容にあった与信限度となっているか、決裁
された条件で取引されているかなどを点検し、適切な与信限度を設定することが必要です。
7月から9月まで全10回に渡って、与信限度の定義と与信限度の見直し手順、
また与信管理を効率化かつ強化するルール設定法について説明します。
今回は、管理強化と効率化を実現する『5つの管理領域』についてです。
前回お伝えした3本線引きに応じて、取引先を分類し、リスクに応じて決裁者、
管理方法を変更します。これによってリスクが高い領域は管理強化が、リスクが
小さい領域は業務の効率化が実現します。
① 少額与信領域(与信額≦B)
与信リスクが小さく、管理するよりも完全に営業現場に判断を任せた方がスムーズに
案件が進められると考えられる領域です。管理する方がコスト倒れになる領域です。
※A=信用力のランクに応じた線引き
※B=少額取引の線引き
※C=大口取引の線引き
※詳細についてはバックナンバーをご参照ください。
取引先の与信限度の見直し方法No.08~与信管理を強化する『3本の線引き』~
② 重点営業領域(B<与信限度≦AおよびC)
与信額は少額と言えるほど小さくありませんが、高格付で信用力が高く、財務体力の
範囲内であり、比較的リスクは低く、ある程度営業部門に案件管理を任せられる
領域です。与信額を増やす余地があり、積極的に営業を強化すべきと言えます。
③ 集中管理領域(BおよびA<与信限度≦C)
低格付でリスクが高いゆえに、管理部門にてフォローアップする領域です。
営業部門の専決とはせず、管理部門にて審議した後で決裁するようにし、
管理レベルを一段階上げることが求められます。
④ 優良政策案件管理領域(C<与信限度≦A)
信用力が高い大口取引先、いわゆる上得意先が該当する領域です。
上得意先ですが、信用力の低下に備える必要があるゆえにフォローアップに
ある程度のコストを負担して管理を行っていくべきです。
⑤ 高リスク政策案件管理領域(AおよびC<与信限度)
リスクが非常に高いゆえに、与信管理に割くことができる経営資源を最大限に
振り向け、集中的に管理すべき領域です。決裁者を一段階引き上げたり、更新
頻度を増やすなどで見直しにコストをかける一方、具体的なリスク軽減策を立てます。
リスクモンスターのポートフォリオサービスなら
貴社の決算資料、お取引先、与信額・債権残をリストでお預かりすることで、
A~Cの『3本の線引き』を行い、1社1社マッピングし①~⑤の管理領域による
最適な与信管理を実現できます。
ご導入いただくことで、取引先の全体のリスク構成の把握、個社ごとへの対応の
明確化、与信管理のルールの構築、与信管理にかけるべきコストの算出を一挙
に行うことができます。
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