取引先の与信限度の見直し方法No.06~与信リスクの調整方法①~
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取引先との取引を継続するに当たっては、当該取引先の信用力を定期的に診断し、
与信リスクが変動していないか、取引内容にあった与信限度となっているか、決裁
された条件で取引されているかなどを点検し、適切な与信限度を設定することが必要です。
7月から9月まで全10回に渡って、与信限度の定義と与信限度の見直し手順、
また与信管理を効率化かつ強化するルール設定法について説明します。
決裁プロセスの中でリスクが高いと判断されたものについては、与信リスクを
調整する必要があります。調整の方法は主に以下の8通りがあります。
今回は①~③について解説していきます。
★①情報取得の強化
★②基本契約書の帰結
★③保証サービスの利用
④担保の取得
⑤その他担保として効力のある原資の創出
⑥決済条件の調整
⑦商流の変更による調整
⑧取引金額の減額
【与信リスクの調整方法】
①情報取得の強化
取引先の状況把握を進めることでリスクをミニマイズします。決算書
(場合によっては法人税申告書、月次決算書、資金繰り表など)の提出、
取引先への訪問・経営者インタビューの実施およびその頻度の強化、
調査会社からの信用調書の取得などが挙げられます。
②基本契約書の帰結
低格付先は、支払遅延などの問題が発生した場合にすぐに対処が
取れるよう、債権回収するのに有利な特約条項を盛り込んだ契約を
締結します。
交渉が難航しそうな場合には注文書などの個別契約に特約条項を
記載するようにします。
特約条項としては、期限の利益喪失条項、契約解除条項、合意管轄条項、
遅延損害金請求条項、所有権留保条項、相殺予約条項、追加担保請求
条項などが挙げられます。
③保証サービスの利用
保証会社に保証料を支払うことで、取引先の倒産または支払遅延が
発生した場合に回収不能となった債権額について保証会社に請求する
ことができます。
実質的な利益率は下がりますが、交渉ができない取引先に対しては
サービスを利用することが有効です。
リスクモンスターのポートフォリオサービスなら
格付・限度額・与信額基づきに3つのラインを引き、リスクに応じて
管理領域をわけ、1社1社マッピングしていくことで取引先のリスク構成を
見える化することができます。
この管理領域を加味したうえで、与信リスクの①~⑧までの方法で調整を
していくことで、より強固な与信管理体制を構築することができます。
リスクモンスターのポートフォリオサービスの詳細はコチラ