取引先の与信限度の見直し方法No.07~与信リスクの調整方法②~
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取引先との取引を継続するに当たっては、当該取引先の信用力を定期的に診断し、
与信リスクが変動していないか、取引内容にあった与信限度となっているか、決裁
された条件で取引されているかなどを点検し、適切な与信限度を設定することが必要です。
7月から9月まで全10回に渡って、与信限度の定義と与信限度の見直し手順、
また与信管理を効率化かつ強化するルール設定法について説明します。
決裁プロセスの中でリスクが高いと判断されたものについては、与信リスクを
調整する必要があります。調整の方法は主に以下の8通りがあります。
今回は④~⑧について解説していきます。
①情報取得の強化
②基本契約書の帰結
③保証サービスの利用
★④担保の取得
★⑤その他担保として効力のある原資の創出
★⑥決済条件の調整
★⑦商流の変更による調整
★⑧取引金額の減額
【与信リスクの調整方法】
④担保の取得
資産背景のある代表者やその血縁者、またはグループ会社から連帯保証を
取得したり、現金・不動産・有価証券・在庫・売掛金・機械設備等を契約により
担保取得したりすることで取引先有事の際に取得している担保から回収が
進められるようにします。
⑤その他担保としての効力ある原資の創出
取引先から商品を購入する(仕入れる)ことで買掛金を保有し、万一の際の
相殺原資を作ります。または廻り(裏書譲渡)手形で回収するなども実施的な
回収リスクを下げることにつながります。
⑥決済条件の調整
回収サイトを短縮する、または商品引渡し前に代金の一部または全額を
現金で受け取ることにより、取引先に対する売掛債権を圧縮することができます。
⑦商流の変更による調整
取引先に対して直接余震が発生しないよう、商社・代理店経由で販売する、
エンドユーザーに直接販売して手数料を支払う形にするなどで取引ルート(商流)
を変更することにより、リスクを回避します。
⑧取引金額の減額
販売金額を減額する、または取引を中止することにより、売掛債権を
減額します。当然得られる利益が減少するため、最終的な手段として
考えるべきです。
これらを進める上では、法的に許容されるか、他の取引先など営業基盤への
影響、道義的・社会通念的な評価などに留意します。また交渉する上ではこれら
を受け入れれば取引してもらえると取引先に思われないようにすることが肝要です。
ただし、すべての取引先企業に対して与信リスクの①~⑧までの方法で調整を
していくことは効率的とは言えません。
取引先ごとにどこのレベルまでリスクを調整していくのか基準を設けることで、
見直し業務はより効率化されるとともに、与信管理の精度も向上していきます。
リスクモンスターのポートフォリオサービスなら
格付・限度額・与信額基づきに3つのラインを引き、リスクに応じて
管理領域をわけ、1社1社マッピングしていくことで取引先のリスク構成を
見える化することができます。
取引先ごとにどのようなアクションをしなければならないのかが明確にすることが
できるので、与信管理ルールの構築に最適です。
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