既存取引先の管理方法No.06~与信残高の増加が示す危険なサインとは?~
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既存取引先の信用調査から与信見直しが一巡し、継続管理を実施されている
時期かと思います。取引先の業況や経営内容および自社との取引状況などをチェックし、
変化や予兆を見逃さずに対処をしていく体制を構築することが与信管理のレベルを
さらに引き上げることにつながります。
10月から12月まで3か月間全10回に渡って、既存お取引先の管理強化をする
具体的な手法についてご説明していきます。
今回は、与信残高が増加している理由を5つ例示し、それぞれご説明いたします。
【与信残高の増加が示す危険なサインとは?】
債権管理が完了後の次の実務作業としては限度管理を行う必要があります。
集計した売掛債権残高と、設定している与信限度を突き合わせ、債権残高が
与信限度を超過していないかを定期的にチェックします。毎月の月末(締め日)の
債権残を集計して、比較している場合が多いです。与信限度超過が検出された場合、
すぐに与信残高が増加している理由について確認します。
与信残高が増加の理由について以下の⑤パターンを例示し、それぞれ解説します。
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①取引先の業況の好調
②自社商品の競争力
③競合他社の撤退
④安売り案件の増加
⑤回収遅延、サイト延長
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①取引先の業況好調
取引先の業況が好調で、自社に注文が舞い込んできている状態です。
②自社商品の競争力
自社商品が、品質面や価格面で他社より競争力があり、受注につながっている場合です。
③競合他社の撤退
同種の商品を納入している競合他社が、取引先の信用不安などから撤退し、その分が回っている場合です。
④安売り案件の増加
取引先の資金繰りが苦しいために、安売りを行い、資金回収を急いでいる状態です。
⑤回収遅延、サイト延長
当初の想定より回収サイトが延びたり、回収が遅れたりして債権が増加した場合です。
「①取引先の業況好調」や「②自社商品の競争力」の場合は、不安視する必要は
ありませんが、それ以外の場合は、取引先の業況が悪化している可能性があり、
対応策を立てる必要があります。
しかし、①や②の場合であっても、債権の増加があらかじめ把握できているのであれば、
与信限度の増額を事前に申請し、決して与信限度を超過しないようにします。
超過をした場合には、改善策を講じるようにするべきでしょう。
このように、与信限度額の超過は、取引先や取引自体の異変、社内体制の不備に
気付く良いきっかけとなりますので、必ず原因を追及していくことが肝要です。
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個社のごとの与信残高や限度期限を一括で登録・更新できるだけではなく
CSV形式で出力することができますので、月末・月初の処理のタイミングで
与信残高と与信減額の突合せをすることで限度管理を行うことができます。
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