「債権保全の重要性(第3回)~リスクを第三者に移す方法」

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りすもん与信管理講座
 「債権保全の重要性(第3回)~リスクを第三者に移す方法」
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今月は、与信管理にとって重要な「債権保全」について、4回にわたってご説明しております。
 
これまで初回に、回収方法を工夫することでの与信リスクを減額する方法について解説し、第2回では、担保や保証の取得による直接的な債権保全方法と、契約締結や管理方法を強化することでリスクをミニマイズする手法について解説してまいりました。
 
今回は、いよいよ自社で管理しきれない、または負担しきれない与信リスクを、他社に移してしまう方法について解説いたします。
 
具体的には、取引信用保険、債権保証サービス、ファクタリングを活用することです。 
 
【その1】 与信リスクを第三者にまるごと移してしまう方法 ~取引信用保険~
 
取引信用保険とは、保険対象とした取引先が倒産、または一定期間以上支払われなかった場合に、売掛債権の一定額が保険金として支払われる保険です。 原則、会社または事業部単位での取引先すべてを対象とする包括契約となります。
 
取引信用保険のメリットは、まず、保険を掛けている取引先への販売機会を失うことがなく、また貸倒損失の一部を保険金として受け取れるので、突発的なダメージを抑えることができることがあげられます。大口倒産の場合でも、決算への影響を小さくすることができます。また、貸倒損失を保険料負担することにより、経費化・平準化することができるのです。
 
税制上のメリットとしては、保険料は、全額損金として処理できることがあげられます。貸倒引当金と併用することにより無税で貸倒損失に備えることができるのです。
 
また、高格付の保険会社が補償することにより、債権が優良化し、特に取引銀行・株主・仕入先など、対外的な信用力が向上します。欧州では有価証券報告書の類に保険の存在を明らかにする事例もあるほどです。
 
デメリットとしては、包括契約が原則という保険の性質上、保険をかけたい取引先だけをピックアップして付保することはできないため、コストが大きくなってしまうことがあげられます。
 
さらに損失に対して一定額の負担を求める免責金額や、損失額を一定の割合で減額される縮小填補率の設定があるなど、自身にも一定額の負担が求められることも注意が必要です。
 
【その2】 一部の取引先に対する与信リスクを移す ~債権保証サービス~
 
取引先の倒産や決済遅延などにより、売掛債権が回収できなくなった場合、保証会社が保証限度額の範囲内で代金を支払ってくれるサービスを債権保証サービスといいます。 
 
債権保証サービスのメリットは、上記の取引信用保険と同様、販売機会逸失の回避、債権の回収不能リスクの低減があげられますが、このサービス独自の特徴として、保証対象とする取引先を一定件数以上ピックアップして、保証を掛けられる点があります。 また取引先に対して、保証契約を告知することなく、契約が可能な点があげられます。
 
デメリットとしては、取引信用保険に比べて保証料率が高くなってしまうことや、懸念先だけを集中して保証対象とすることが難しいという点があげられます。
 
【その3】 与信リスクも含めた回収業務自体を第三者に移す ~ファクタリング~
 
ファクタリングとは、自社が持つ売掛金や受取手形といった売掛債権を、ファクタリング会社が自社になり代わって回収する取引のことです。 
 
ファクタリング会社に手数料を支払うことで債権を売却し、自社での債権回収業務を行うことなく迅速に資金を回収できるため、手形割引と同様の資金効果をもたらします。また、取引先が多数ある場合、管理や回収に伴う手間を軽減するというメリットがあります。さらに、手形割引の場合は、与信リスクを自社で背負わなければなりませんが、ファクタリングは与信リスクがファクタリング会社に転嫁されるという点で大きなメリットがあるといえるでしょう。 
 
一方デメリットとしては、売掛債権の代金回収は第三者であるファクタリング会社が行うため、取引先との取引基本契約の内容を変更する必要がでてきます。 
 
またファクタリング会社は、連続赤字や決済口座の預金減少などで回収代行を一時的に解除できる条件を入れるのが一般的なため、最終的に自社に与信リスクが戻ってくる可能性があります。
 
 
取引信用保険や債務保証サービス、ファクタリングは、そのコストやリターンなどにおいて、それぞれ一長一短がある債権保全の手法です。会社の方針や取引先の与信リスクの状況によって、適正に選択、もしくは使い分けることが大変重要です。
 
 
いよいよ次回の最終回は、これら債権保全サービスのデメリットを補完するリスモン独自の債権保証サービスである「SecuredMonster」について解説いたします。
 
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リスクモンスターでは、各種保険会社の取引信用保険や銀行系のファクタリング、さらには独自の信用保証サービスである「SecuredMonster」にて、会員の皆様の債権保全のお手伝いをしております。
 
特に「SecuredMonster」は、リスクモンスターが提供するRM格付においても、評価が厳しいD、E、F格およびG格といった先にも、1社からの債権保証が可能な画期的な信用保証サービスで、懸念先に対するピンポイントの保全ツールとして、会員様に大変好評いただいております。
 
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