りすもん与信管理講座「途上与信のポイント(第1回)~事後管理の重要性を知ろう」

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りすもん与信管理講座
 「途上与信のポイント(第1回)~事後管理の重要性を知ろう」      
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今月より、既存取引先の途上与信の気になるポイントをご紹介してまいります。
全3回シリーズの第1回目の今回は、「事後管理の重要性を知ろう」です。

今回も、リスクモンスターのe-ラーニング講座「実践!与信管理・債権回収のノウハウ」
の中から抜粋となります。

第1回 事後管理の重要性を知ろう


与信限度の承認が下り、契約を締結してようやく取引が始まった・・・。
これで与信管理は不要だと安心していませんか?与信管理はここで終わりではありません。
販売代金の焦げ付きを起こさずに、確実に回収することが与信管理の目的ですから、
むしろ債権が発生した後の管理の方が重要になります。

取引においては定めた与信限度を順守し、販売した代金が決済条件通りに入金されている
ことを確認する必要があります。
入金遅れや限度超過の発生は取引先の異常を知らせるアラームとなります。
与信管理は事後管理が非常に重要で、債権管理と限度管理によってフォローアップして
いくことになります。

【債権管理のポイント】

◆売上の計上
売上の計上は、原則として商品の受け渡し、またはサービス提供の完了をもって行われます。
売上を計上するタイミングとしては、「出荷基準」と「検収基準」があります。

(1) 出荷基準
商・製品の販売取引において、継続的に出荷され、かつ買い手による検収を特に必要としない
取引については、店舗や工場、倉庫から出荷した時点で売上を計上します。

(2) 検収基準
機械装置やソフトウエアなど、買い手の検収が必要なものについては、検収完了時点で売上を
計上します。検収とは「検査して収める」の意味で、納品された商・製品を確認し、仕様を
満たしているかどうかを判定する作業をいいます。

なお、委託販売や試用販売、予約販売、割賦販売(売買代金を分割して支払うことを条件とした
販売方式)、建設などの特殊なケースは、上記とは別に売上計上の基準が定められています。
何をもって売上とするかは難しい問題ですが、あいまいにしていると、販売代金を回収できない
事態にも発展してしまいます。注文書・注文請書、納品書・受領書(出荷証明書)などの
取り交わしと確認をしっかり行い、売上を適切に計上していく必要があります。

◆請求の手続き
一般的には、月次の締め日で売上が計上された金額を取りまとめ、取引先へ請求書を発行・送付する
手続きを行います。売上代金の回収は、請求書に基づいて行われるため、請求書は漏れなく発行し、
遅滞なく取引先へ送付しなければなりません。商品名、数量、単価、回収条件などの記載に間違いが
ないかをチェックして送付します。

◆顧客別の売掛金管理
顧客数が増加してきた場合、顧客別の売掛金管理表を作成し、管理しやすくします。一般的には、
取引先別の債権残や限度の使用状況を記載した売掛債権回収残高一覧表を作成し管理・運用します。
この帳票は限度額の上限に近づいてきたら、フラグを立てるなどして、売り込み過ぎを回避します。

◆入金の確認
管理部門は、取引先に請求した金額が支払期日に全額入金されているか確認します。この際、支払い
期日に入金されていなかったり、請求金額と回収金額に差異があったりする場合は、回収異常先とします。
また手形入金が遅れている場合や、回収した手形の決済期日が条件と違う場合も同様に回収異常先とします。
管理部門は、回収異常が検出された場合、即座に営業部門に通知を行い、その理由の確認を依頼します。

【限度管理のポイント】

◆与信残高と与信限度の突き合わせ

集計した売掛債権残高と、設定している与信限度を突き合わせ、債権残高が与信限度を超過していないかを
定期的にチェックします。
毎月の月末(締め日)の債権残を集計して、比較している場合が多いです。与信限度超過が検出された場合、
すぐに与信残高が増加している理由について確認します。
以下の3)~5)の場合は要注意です。

1) 取引先の業況好調
  取引先の業況が好調で、自社に注文が舞い込んできている状態です。
2) 自社商品の競争力
   自社商品が、品質面や価格面で他社より競争力があり、受注につながっている場合です。
3) 競合他社の撤退
   同種の商品を納入している競合他社が、取引先の信用不安などから撤退し、その分が回っている場合です。
4) 安売り案件の増加
   取引先の資金繰りが苦しいために、安売りを行い、資金回収を急いでいる状態です。
5) 回収遅延、サイト延長
   当初の想定より回収サイトが延びたり、回収が遅れたりして債権が増加した場合です。

◆与信限度超過の対応

与信限度を超過している場合は、その解消策を実施します。具体的には、与信限度を増額するか、債権額を
圧縮するかのどちらかです。

1) 与信限度の増額
   取引が増加しており、取引先の信用力にも不安がないと判断した場合は、与信限度の増額を申請します。
2) 債権額の圧縮
   取引先の信用力に不安があったり、取引の拡大が一時的なものであったりする場合は、債権圧縮の計画を立て、
   それを実施します。

与信限度の順守は、与信管理ルールを運用する要であり、異変に気付くためにも厳しく運用していくことが重要です。


[設問]  与信限度額を超過した際の対応に関する記述として、最も適切でないものを
     次の選択肢の中から選びなさい。

1 与信限度を超過した場合、取引先の倒産等により想定外の大きな損害を被る可能性がある。
2 与信限度が超過した場合は、発生理由を早急に確認する必要がある。競合他社が撤退して自社との取引が増加してい
   るなどの場合は対策が必要である。
3 与信限度を超過した場合は、超過が解消されるまで見直しは必要なく、超過が収まるまで経過をフォローアップする
   ことが重要である。
4 与信限度を超過した場合は、社内ルール違反であると社員全員が認識し、厳しく管理していく必要がある。

(設問の解答は、「実践!与信管理・債権回収のノウハウ」をご利用いただき、
  ご確認お願いいたします。)


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