与信管理講座「与信管理・債権回収の入門講座」(第4回)

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    与信管理講座「与信管理・債権回収の入門講座」 第4回     
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全5回にわたり、リスクモンスターのe-ランニング・コンテンツ
「サイバックスUniv.」にて、与信管理の研修ツールとして好評いただいて
おります「与信管理・債権回収の入門講座」の中から、代表的なテーマをご紹介
しております。

今回は、「第4回 取引継続先の管理をしよう」です。

最後に、テーマに関する設問を掲載しておりますので、是非ともチャレンジいただき
ますよう、お願いいたします。


第4回 取引継続先の管理をしよう


―限度管理の重要性をしろう―

商談が終了し、無事、契約に至ったとしても、与信管理はこれで終わりではありません。
与信管理は事後管理が非常に重要で、債権管理と限度管理によってフォローアップして
いくことになります。

[1] 与信残高と与信限度の突き合わせ
 
集計した売掛債権残高と、設定している与信限度を突き合わせ、債権残高が与信限度を
超過していないかを定期的にチェックします。毎月の月末(締め日)の債権残を集計して、
比較している場合が多いです。与信限度超過が検出された場合、すぐに与信残高が増加
している理由について確認します。

1) 取引先の業況好調
 取引先の業況が好調で、自社に注文が舞い込んできている状態です。
 
2) 自社商品の競争力
 自社商品が、品質面や価格面で他社より競争力があり、受注につながっている場合です。
 
3) 競合他社の撤退
 同種の商品を納入している競合他社が、取引先の信用不安などから撤退し、
 その分が回っている場合です。

4) 安売り案件の増加
 取引先の資金繰りが苦しいために、安売りを行い、資金回収を急いでいる状態です。

5) 回収遅延、サイト延長
 当初の想定より回収サイトが延びたり、回収が遅れたりして債権が増加した場合です。

「1) 取引先の業況好調」や「2) 自社商品の競争力」の場合は、不安視する必要はありませんが、
それ以外の場合は、取引先の業況が悪化している可能性があり問題となります。
しかし、1) や 2) の場合であっても、債権の増加があらかじめ把握できているのであれば、
与信限度の増額を事前に申請し、決して与信限度を超過しないようにします。

このように、与信限度超過は、取引先や取引自体の異変、社内体制の不備に気付く
良いきっかけとなりますので、必ず原因を追及します。

[2] 与信限度超過の対応

与信限度を超過している場合は、その解消策を実施します。具体的には、与信限度を
増額するか、債権額を圧縮するかのどちらかです。

1) 与信限度の増額
 取引が増加しており、取引先の信用力にも不安がないと判断した場合は、
 与信限度の増額を申請します。

2) 債権額の圧縮
 取引先の信用力に不安があったり、取引の拡大が一時的なものであったりする場合は、
 債権圧縮の計画を立て、それを実施します。

与信限度の順守は、与信管理ルールを運用する要であり、異変に気付くためにも厳しく
運用していくことが重要です。


―与信限度は見直しが必要―

[1] 与信限度の定期見直し

与信限度は順守しなければならないものですが、一度決めたら永遠にその与信限度を
守り続けていく、というものではありません。与信先の信用力や取引金額の変化に応じて、
与信限度も柔軟に変えなければなりません。

常に適正な与信限度を設定しておくために、与信限度には期限を定め、最低でも
年に1回は定期的な見直しをします。直近の決算内容を元に審査できるよう、
決算期末から6カ月以内に与信限度の期限を設定することが適切です。
しかし、大口取引先や要注意先の与信限度は、年2回見直すなど、管理レベルを
上げることが好ましいといえます。

与信限度の見直しの際には、取引開始時の与信申請と同じように、取引先の信用力を
審査しますが、そのほかに以下の項目もチェックします。

・決済条件や取引条件は守られているか
・取得している担保の価値が変化していないか
・担保維持に必要な書類を入手できているか
・基本契約は締結できているか
・注文書・納品書など取引を証明する書類はきちんと作成されているか

[2] 異常発生時の与信限度見直し

取引先や取引自体に異変があった場合は、与信限度の期限にかかわらず、タイムリーに
与信限度の見直しを行います。見直しを行うタイミングとしては以下のものが挙げられます。

1) 取引金額の増加
 取引金額が当初の予想を超え、与信限度を超過する見込みになった場合に、
 与信限度を見直し、増額します。

2) 与信限度超過
 既存の与信限度を超過して与信残高が発生した場合に、与信限度を見直し、増額します。

3) 支払遅延発生
 取引先の経営が悪化し、資金繰りが苦しくなることにより、支払遅延が生じた場合、
 与信限度を縮小する必要があります。

4) 取引先の信用力の悪化
 信用不安の兆候が見られ、取引先の信用力が悪化している場合は、与信限度を縮小します。

 

[設問] 常に適正な与信限度を設定しておくために、与信限度には〔   〕を定め、
    定期的に見直しを実施します。
 
     A. 期限
     B. ピーク
     C. 法規
     D. 種類
 

 (設問の解答は、「与信管理・債権回収の入門講座」をご利用いただき、
  ご確認お願いいたします。)


次回は、「第5回(最終回) 債権保全の方法を知ろう 」です。


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