与信管理講座「与信管理・債権回収の入門講座」(第2回)
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与信管理講座「与信管理・債権回収の入門講座」 第2回
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全5回にわたり、リスクモンスターのe-ランニング・コンテンツ
「サイバックスUniv.」にて、与信管理の研修ツールとして好評いただいて
おります「与信管理・債権回収の入門講座」の中から、代表的なテーマをご紹介
しております。
今回は、「第2回 財務分析仕組みを理解しよう」です。
最後に、テーマに関する設問を掲載しておりますので、是非ともチャレンジいただき
ますよう、お願いいたします。
第2回 財務分析仕組みを理解しよう
―貸借対照表(B/S)のチェックポイントを押さえよう―
貸借対照表(B/S)を分析する際は、まずは決算書そのものを見て大まかにポイントを
押さえることが有効です。異常を発見するために重要なポイントを以下に挙げます。
1.純資産(自己資本)の厚さを見てみよう
B/Sの右側の負債・純資産のうち純資産(自己資本)は返す必要のないお金ですので、
純資産の割合が大きいほど、会社は長期的に安定しているといえます。逆に負債の割合が
高いと、資金繰りが厳しくなり、安全性が低いといえます。
ただし、純資産の割合が大きくても、業歴が長い会社なのに、資本金や資本剰余金だけ
大きくて利益剰余金が少ないかマイナス(累積損失)である場合は、過去からの利益を
蓄積できていないことを示します。今後利益を出して安定的に成長できる企業とは
いえないかもしれませんので、注意が必要です。
2.銀行からの資金調達に不安はないか
銀行借入は、多くの企業にとって資金調達の生命線です。そのため、借入金の規模は適正か、
借入金の使途は明らかで、妥当か、収益力やキャッシュフローに見合ったものか、
年々増加していないかを分析することが重要です。
借入金の総額(総借入)は、流動資産の中の短期借入金と1年以内返済の長期借入金や、
1年以内返済の社債、割引手形と、固定負債の中の社債と長期借入金を足したものになります。
利子を付けて返済することになるため、「有利子負債」ともいいます。
長期借入金から短期借入金に移行している、割引手形の割合が増えているなどの場合は、
銀行の融資姿勢が消極的となっている可能性も考えられます。借入の中身についても
チェックが必要です。
3.資金繰りに不安はないか
短期的な資金繰りに不安がないかどうかは、1年以内に返さなければならない流動負債や、
1年以内に現金化される流動資産を分析していくことで分かります。
ポイントは以下の通りです。
① 流動資産と流動負債を比較
流動資産と流動負債の金額を比較します。流動負債に見合うだけの流動資産がなければ、
流動負債を返済できなくなるかもしれません。「 流動資産 ≧ 流動負債 」の状態が
健全な状態といえます。
② 現金・預金
現金・預金の金額が非常に乏しい場合、資金繰りが厳しい状態になっている可能性が
あります。 1カ月分程度の支払であれば現金で行えるよう、月商分程度の現金・預金は
持っておきたいものです。
ただし、現金・預金といえども定期預金になっていて、自由に引き出せない可能性も
ありますので、中身には注意が必要です。
③ 売掛債権が過大(急増)
受取手形や売掛金といった売掛債権は、売上を計上したもののまだ回収できていない
販売代金を指します。売掛債権を月商で割ると、回収サイトが計算できます。
この値が、 取引先の業界の標準値を超えている場合は回収できない債権(不良債権)が
売掛債権の中に含まれている可能性があります。
不良債権が計上されるということは、本来計上するべきでなかったのに、利益を多く
計上したことになります。その分、純資産(自己資本)を減額して評価する必要が
出てきますので、注意が必要です。
④ 在庫が過大(増加)
棚卸資産とは、製品や半製品・仕掛品、原材料・貯蔵品といった在庫を示します。
棚卸資産を月商で割ると、平均在庫期間が計算できます。この値が、取引先の業界の
標準値を超えている場合は売れない在庫(不良在庫)が棚卸資産の中に含まれている
可能性があります。
4.資産内容に問題はないか
ほかの資産勘定についても、簿価が実態を反映しているのか、回収できる可能性が
どの程度あるのかをチェックします。回収に懸念のある資産が自己資本の額と比較して
上回ると実質的に債務超過状態となり、たいへん危険な状態といえます。
① 仮払金・貸付金・その他資産
使途不明金や長期の回収不能金が含まれている可能性があります。特に継続して
多額の金額が 計上されている場合は要注意です。内容の不透明なものをまとめて
計上している可能性があります。
② 土地・建物
時価会計を採用していない企業では、計上されている金額は取得時の価格であること
が多いため、含み損益をどの程度抱えているのかを確かめる必要があります。
バブル期に取得した土地などは価格が下落している可能性を考慮します。
③ 有価証券・出資金・投資勘定
時価が著しく低下しており、資産価値が大きく下がっている可能性があります。
勘定が増加している時期を確認し、その投資先を確認することが重要です。
[設問] 次のうち、貸借対照表のチェックポイントとして正しくないものを一つ
選んでください。
A. 売上推移
B. 自己資本の厚さ
C. 資金繰りに不安はないか
D. 銀行からの資金調達に不安はないか
(設問の解答は、「与信管理・債権回収の入門講座」をご利用いただき、
ご確認お願いいたします。)
次回は、「第3回 社内ルールを知ろう」です。
●「与信管理・債権回収の入門講座」のご紹介
来年3月の金融円滑化法の終了よる倒産増加に備えるために、今こそ営業担当者の
「与信管理・債権回収の知識向上」が重要です。
本講座は営業担当者が、危ない兆候をどうやってつかむのか、つかんだ後
どのように対応するのか、他にどんな対応策があるのか等を図解・チャートを
含め分かりやすく学べる内容になっています。
多くの企業様で研修に採用していただいているe-ラーニング教材です。2012年10月より
与信管理実務検定試験に対応となり、知識取得度を測定しやすくなりました
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【編集発行】
リスクモンスター株式会社
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