収集すべき企業情報とは?

企業調査においては、一面だけの偏った情報収集では企業の実態を正しく把握することはできません。以下のように広角的、複合的な情報収集に努めるべきです。
情報収集する上での順序は、次のようになります。

  1. ホームページを閲覧して情報を集める
  2. 社内にある情報を収集する
  3. 取引先が上場会社であれば、有価証券報告書や決算短信などの開示情報から関連記事を収集する
  4. 取引先が上場会社の子会社であれば、その親会社の開示情報を収集する
  5. 取引先が非上場会社の場合は、商業登記簿やパンフレット・商品カタログなどのコストが小さいものから資料を収集する
  6. 取引額が大きい非上場会社の場合は、決算書、勘定明細などの詳細な資料の提出を取引先に依頼する
  7. 取引額が小さい非上場会社でも決算書の提出を取引先に依頼するとよい
  8. 取引先から直接決算書が入集できない場合は、信用調査会社の信用調書を取得する
  9. 追加で情報収集したい場合は、不動産登記簿や新聞記事、信用調査会社などへ特種情報の信用照会を行う
情報収集イメージ

商業登記簿とは、会社(法人)という権利、義務の主体に関する一定事項を記載しているものです。取得方法は簡単で、登記所(法務局)へ申請すれば、誰でも登記事項証明を取得・閲覧することができます。また所定の手続を行えば、会社や自宅のパソコンからでもオンラインで閲覧することもできます。相手方に知られることなく、安価で調べられることから、取引先の初期判断には非常に有効といえます。

  1. 商号(会社の名前)
  2. 本店の所在地(住所)
  3. 目的(事業目的・営業内容)
  4. 資本金
  5. 設立年月日
  6. 役員に関する事項
  7. 代表者の住所・氏名
  8. 機関設計
  9. 支店

などさまざまなことが分かります。ここでの注意点としては、現時点で効力を有する事項しか記載されない現在事項証明書ではなく、過去からの変遷が記載された「履歴事項証明書」を取得するべきです。
また調査会社や企業情報提供会社のデータベースを調べることで、商業登記簿と同様に取引先の情報を得ることができます。企業情報が記載載されている企業であれば、その取引銀行、株主、仕入先、販売先、業績推移などをつかむことができます。
懇意にしていて、取引先を良く知る会社があれば、そこから取引先の評判を聞きます。近い立場にいる会社の情報は信頼性が高いと言えるからです。悪評が出ている企業との取引は避けた方が無難です。

現在の情報収集手段として欠かすことのできないものとして、インターネットがあります。取引先のホームページを見ることはもちろんのことですが、検索サイトで取引先の社名や代表者、役員、住所、電話番号を調べることで、思わぬ情報に当たることもあります。
代表者や幹部社員と商談する際は、取引先の状況をつかむ絶好のチャンスです。社長の人柄、経営力、意欲、経営姿勢を知ることができます。そこでは、信頼関係を醸成することが重要です。やはり信頼できる相手にしか、自社の経営内容は見せないものです。
取引先を実際に訪問して事業を行っているところを見ることは重要です。現地調査を怠ると、いざ決済されなかったときに直接交渉するために現地に行くとそもそも会社が実在していなかったなんてトラブルもありえます。
訪問の際には、オフィスや工場・倉庫の現場を可能な限りチェックします。チェックリストを作成して上のような事柄に異変がないかを確認することは非常に有効な手段といえます。

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